2023.05.04

『CATCH THE WAVE 2023~開幕戦~』

●前説
野中リングアナの諸注意や新商品の案内などの後に二上会長がリングインし、二つのお知らせごとがあるとのこと。
「一つ目は、最近、話題になっている選手の試合中の卑猥な写真をSNSに挙げられている人がいらっしゃいます。試合中、写真を撮ることは構わないんです。ただ、自分で楽しんでください。SNSにわざわざ女の子の股開けてる写真とか載せて誰が得するんですか? ウチははずかし固めを使う宮崎有妃というレスラーがいらっしゃいます。カメラの準備をしろと言います、撮っていただいて結構です。ただ、今日、(対戦相手が)広田です(館内・笑)。ただ、人妻で、二人子供を産んでいる広田の御開帳です。それは上げられても構いませんよ、恥ずかしくとも何ともないです。ただ、でも、そうじゃなくて、若い選手のそんな卑猥な写真を上げるなんて、恥ずかしいと思ってください。節度のある投稿をお願いします。あまりこれが続くようなら写真撮影禁止にします。それは嫌ですよね? だからみなさん、こういう写真上がってましたよという人がいたら、私にDMこそっと送ってください。すごいエロイ写真を撮ってたよって人がいましたら、私にこっそり言いに来てください。つまみだします。私、人を出禁にすること得意なんで、よろしくお願いします」という注意喚起を行った。
そしてもう一つ。「アクシデントで、本当にすいません。網倉が練習中にヒザをケガしまして、つい30分前の出来事で、本人、テーピングとかして、今日初戦だから頑張りたいと言ってたんですけど、今日、無理してもGW中、いっぱい試合がありますし、6日にカラーズの大会もあるから、今日は網倉欠場となります。申し訳ありません。でも不戦勝にはならないです。今日まだ(リーグ戦が)始まってもいないので、すいません。去年は決勝戦でまさかの野崎欠場で、『今年はみんなケガなく最後まで完走するのが私の願いです』って言ってて、始まる前にケガをするという…どないせえっちゅうねん(観客・笑)。狐伯がリーグ戦の試合がなくなりますので、6waveのところに入って7waveになります」との発表があった。以上、大事な二つのお知らせごとを経て、2023年の「CATCHTHE WAVE」開幕となった。
●入場式
まずは恒例の入場式から。各ブロックごとに入場となり、ヤング、エリザベス、A、B、Cブロックの合計23選手が登場した(愛海と欠場の網倉を除く)。ヤング出場選手はヤングらしく、各選手が走って入場した。そして、今年の公式ルールを吉野希里リングアナが説明したあと、選手を代表して、田中きずな、炎華、Himiko、鈴木ユラが選手宣誓をおこなった。
4人「宣誓! われわれ選手一同は、女子プロレスラー精神にのっとり清く、正しく、美しく、CATCH THE WAVE 2023を闘い抜くことを誓います。2023年5月4日 プロレスリングwave・田中きずな、プロレスリングwave・炎華、ワールド女子プロレスディアナ・Himiko、AlmaLibre・鈴木ユラ」
●あいさつ
SAKIの肩を借りて網倉がゆっくりと登場。
「このたびは急に欠場となり本当に申し訳ございませんでした。このCATCH THE WAVE 初戦の狐伯にも変な思いをさせてしまったし、何より自分が当日欠場することも初めてで、まだ気持ちの整理ができず、本当に申し訳ございません。ただ、必ずしっかり治して、もっと強くなって、すぐに皆さんの前に戻ってきます。今日はすいませんでした。お時間ありがとうございました」とあいさつ。退場時、網倉のテーマ曲が響くと、観客は拍手で後押しし、早期の復帰を願った。
■7wave(20分1本勝負)
チェリーvs高瀬みゆきvs関口翔vs川畑梨瑚vs櫻井裕子vs梅咲遥
退場順=①櫻井(2分26秒、ギブアップ)※ダブルの腕ひしぎ十字固め、ヒザ十字固め、首四の字を同時に食らう。
②関口(3分29秒、首固め)③狐伯(4分49秒、エビ固め)④川畑(8分6秒、ラ・マヒストラル)⑤&⑥梅咲遥、
高瀬みゆき(9分37秒、オーバー・ザ・トップロープ)
※チェリーが優勝。オーバー・ザ・トップルールを採用。
第1試合には、今日、「CATCHTHE WAVE2023」にエントリーされていながら試合が組まれなかった7選手が出場。狐伯も急きょ、網倉の欠場でこの輪に加わった。勝ち抜け負け残り、オーバー・ザ・トップロープルールが採用された。

 ゴングと同時にそれぞれが手四つの姿勢。これを振り払うように、ルミナスとREDBLUEがそれぞれ連携を見せる。そのREDBLUEをルミナスが攻撃。リング中央でルミナスポーズを取ると、背後からドロップキックで狐伯がカット。さらに、これを背後から攻撃したチェリー&櫻井が「サクラフブキー!」とアピール。それぞれの自己アピール合戦が展開される。
続いて7人による数珠つなぎコブラ。これをチェリーが振りほどく。今度は全員が櫻井に集中攻撃。グラウンドからチェリーと関口がダブルで腕ひしぎ、川畑がヒザ十字、高瀬が首四の字を同時に決めると、櫻井がギブアップしてまずは一人目の脱落。
この後、REDBLUEが連携を見せ、他の選手をなぎ倒していくが、ポーズを取るふりをして川畑が関口を首固めで丸め込み3カウント。関口が二人目の失格となった。残り5人。狐伯と川畑が共闘し、高瀬と梅咲をそれぞれコーナーへ追いやり、互いに低空ドロップキックを見せるが、ハイタッチの瞬間に裏切り合い、丸め込み合戦となる。これに残りの3選手も乗じて、各選手が丸め合う。最終的には回転エビで飛び込んだ狐伯が残りの4人からひっくり返されてそのままフォールされて失格に。残りは4選手。
ここでルミナスが連携に出る。高瀬がセカンドロープに上り、梅咲はアシストでチェリーと川畑を背後から押さえてのミサイルキック。高瀬が飛び終わった瞬間、梅咲がジャックナイフ固めで裏切りのフォールに行くがカウント2。ここで、高瀬がクレームを入れ、ルミナスのエルボー合戦へ。高瀬は水平チョップに移行。梅咲もパワースラムからのブレンバスターと激しくパートナー同士がやり合う。
梅咲がトップロープに上ろうとすると、川畑がキックでカット。OTRで落としにかかるが、梅咲はこれを回避。川畑は高瀬と梅咲にそれぞれトラースキック。そして、高瀬、梅咲にボディスラムで横一列に並べると、ムーンサルトを狙うがこれはよけられて失敗。
この間に梅咲が川畑をマヒストラルで丸めてカウント3。残るはルミナスとチェリー。高瀬はチェリーにカミカゼ。続けてトップロープからのギロチン狙い。すぐさまチェリーが立ち上がってOTRを狙う。梅咲もカットに入ると、3人での落とし合いとなり、そのままエプロンでの攻防になる。挟み撃ちでチェリーの転落を狙ったルミナスだったが、これをうまくかわす。最後は梅咲と高瀬がロープを持っていた手にしっぺを決めると、ともに場外転落。老獪な作戦が決まり、チェリーの勝利となった。
■ CATCH THE WAVE 2023〜ヤングブロック〜(10分1本勝負)
Himiko<1勝=2点>(8分2秒、エビ固め)田中きずな<10点>
※ダブルアーム卑弥バスター。

 田中きずながデビュー1か月でCATCH THE WAVE初参戦。18歳のきずなに対して、
Himikoは51歳。年の差33歳という対決がヤングブロックの初戦で実現した。
「お願いします!」ときずなの握手にはHimikoもがっちりと握手で返礼。まずはロックアップからスタート。腕の取り合いからHimikoがグラウンドのヘッドロック。さらにデスロックへ。きずなは下からパンチで応戦する。
再度、ロックアップ。Himikoはグラウンドからトーホールド。きずなは捕らえられるが、かけられた状態のまま蹴りで応戦。それでもHimikoは反転させ、サソリの形に捕らえる。きずなは絞められながらも、必死にロープに体を手繰り寄せてブレイクに。
Himikoは串刺し式の背面エルボーから低空ドロップキック、ボディスラムとつなげるがカウント2。エルボースマッシュを連打していくが、きずなが首固めで切り返し、スクールボーイへ。これをキックアウトされると、Himikoのカウンターのエルボー狙いをかわして、すかさずワキ固めへ。
さらには腕ひしぎへと移行。いい流れを作ったが、ロープに逃れられる。

 きずなはドロップキック2連発からフライングネックブリーカーを決めると、再度ワキ固めへ。これもロープに逃れられると、串刺し式のドロップキック。Himikoもその場飛びのドロップキックからロープに飛ばしてのドロップキック。
さらにフェースクラッシャーに決めたが、きずなは何とかカウント2でクリア。ならばと、Himikoはダブルアーム卑弥バスターを決めて3カウント。ワキ固めのダメージから右腕を押さえながらも、まずは2点を獲得した。
▽バックステージ
Himiko「自分後楽園で他団体のリーグ戦、初出場で、シングルも初めてだったので、気合入れていけました。初戦は絶対落とせないと思っていたので、いい形で2点取れたのではないかと思います。(田中きずなは)スキがあれば決めてくるので、そこを注意していたんですけど、気持ちが入っていたので、結構、危なかったです。ブロック優勝してその上に行きたいと思っているので、まずは全勝優勝を狙っていきたいと思います」
■ CATCH THE WAVE 2023〜ヤングブロック〜(10分1本勝負)
炎華<1点>(時間切れ引き分け)鈴木ユラ<1点>

 田中きずなと同じく、デビュー1か月の炎華がヤングブロック初参戦。
 まずはロックアップから腕の取り合い。ユラはミドルキックを連発した後、誘い込むようにしてグラウンドへ持ち込み、三角締めへ。そしてロープへ貼り付けにすると、ミドルキックを胸板にぶち込み、背後からのドロップキック。ボディスラムの連発からサーフボードに持っていく。
これに対して炎華もドロップキックで反撃。スペースローリングエルボーを決めると、ドロップキックを4連発。そして逆エビ固めに捕らえるがロープに。
ユラは炎華が向かってきたところをボディスラムで切り返すと、コーナーホイップから串刺し式のニー。さらにはサッカーボールキックを背中に3度決めるも、ランニング式のローキックをかわした炎華がスクールボーイ。
さらにドロップキックを挟んでからSTFへ。ユラがロープに逃れると、エルボー合戦へ。ユラがランニング式のローキックを今度こそ成功させカウント2。続けざまにブレンバスター。
これを返した炎華が丸め込みを連発し、どん欲にフォールを狙っていく。いずれも返されると今度はジャパニーズレッグロールクラッチを狙いに行く。これを完成寸前のところでユラが胴絞めスリーパーに切り返す。
炎華が耐え続けると、腕ひしぎへ移行する。炎華は腕を離さずクラッチは許さず。ここで時間切れとなり、10分ドローで両者1点となった。
▽バックステージ
炎華「悔しいです。逆エビとか、STFとかもっと絞れたりできたな、とか、最後のほう、体力が足りなくなってきたので、課題点がいっぱい見つかった試合だなと思います。(ユラは)蹴りが痛いです…。途中でちょっと心折れそうになりました。(リーグ戦のこれからは)今回はドローで1点しかもらっていないので、勝ちたいです。特にきずなには勝ちたいです」

ユラ「相手がまだ全然新人だってことを知っているので、引き分けというのがめっちゃ悔しいです。新人だからってわけじゃないですけど、歴(キャリア)としてはこっちのほうが上なのに、ドローって負けも同然なので、それがむっちゃ悔しいです。(リーグ戦は)このままいずれ上まで行きたいです。上まで行って上から見下ろす景色を見てみたいです」
■ CATCH THE WAVE 2023〜Cブロック〜(15分1本勝負)
清水ひかり<2点>(2分57秒、トゥインくるん)青木いつ希<0点>

 ともに2016年デビューということもあり、意識するライバル同士が初戦で激突。青木は3度目、清水は2度目のCATCH出場となる。
青木が短期勝負に出る。スタートからラリアット、ダブル二ーを落とし、ロープにもたれさせての背後からのダブルニー、ブレンバスターホールド、再びダブルニー、そして「つぶれろ!」からのフライングボディプレスと畳みかける。
さらにジャーマンで決着を狙うが、清水も投げさせまいと必死に防御。前方回転からフットスタンプで脱出する。清水の延髄蹴りが空を切ると、青木は投げっぱなしジャーマンからダイビングフットスタンプ。これは清水が間一髪かわして自爆に
清水はすかさずティヘラで押さえ込む。カウント2。続けてバズソーキックを決めたが、青木もラリアットでやり返す。
ライバルならではの一進一退の攻防となるが、青木の突進を飛び付きのウラカンラナ=トゥインくるんに切り返し、そのまま3カウント。メキシコ遠征でモノにした技術を見せて、まずは2点を獲得。同期対決は清水にとって、青木からの初勝利という嬉しい勝利でもあった。
▽バックステージ
清水「やったよ…。見てた? 見てた? 勝ったよ、やっと…。やっと、やっと、やっと勝った!(キャリア)6年…青木いつ希のプロエス人生の初勝利は清水ひかりからなんですよ。勝ったけど、もうボロボロ…でも良かった。清水ひかりが青木いつ希から、この大事な大事なキャッチで勝つことができました。このまま波に乗って…波女になります!」
■ CATCH THE WAVE 2023〜エリザベスブロック〜(15分1本勝負)
米山香織<1勝=2点>(4分4秒、エビ固め)遠藤美月<1敗=0点>


 9・11後楽園で引退を迎える遠藤にとって、CATCH THE WAVE参戦は自らの引退ロードを華々しく飾るチャンス。CATCH優勝からの引退という有終の美を飾ることができるか。初戦の米山とは意外にも初シングル。
まずはゴングと同時に遠藤のラリアットでスタート。すかさず、米山は鼻フックで動きを止める。遠藤は背後から髪の毛を掴み、かきむしりからケンカキックを連発。エルボーを落とすと、チンロック。
ロープに逃れた米山は遠藤の足の甲を踏みつけて、流れを変えるとクロスボディー。モンゴリアンチョップからグーパンチ。
遠藤もヘッドバットから遠藤バット。これをかわした米山はセントーン。さらに丸め込みを連発するが、遠藤はクリア。
遠藤はラリアットからDDTで押さえ込んだがカウント2。しかし、一瞬のスキを突いた米山がエビ固めで丸め込んで3カウント。米山が勝ち点2点をゲットして好発進となった。
▽バックステージ
米山「遠藤さんとの最初で最後のシングル、勝ちました!波女になって100万円取るぞ!」
■ CATCH THE WAVE 2023〜Bブロック〜(15分1本勝負)
世羅りさ<1勝=2点>(10分39秒、リングアウト)SAKI<1敗=0点>

 SAKIは4度目の出場、世羅は3度目の出場となる。Bブロックの優勝候補同士がいきなりの初戦で対戦。勝敗の行方が気になるところだが…。
まずは手四つ合戦からスタート。ヘッドロック合戦から、世羅がカウンター・キックから串差し式のエルボー。そして逆エビ固めからカンパーナへ移行。
早くもセラリズムバスターを繰り出す。そしてコの字固めに固めると、続けてコーナーでの攻撃を狙う。SAKIは場外へエスケープ。世羅も足を引きずられて場外へ落とされる。
場外でのエルボー合戦を経て、ともにカウント9でリング内へ。リーグ戦は10カウントのルールだ。
SAKIは逆エビ固めからブルズアンヘリート。そしてバックの取り合いから、SAKIがみちのくドライバーⅡ。これに対して、すぐさま世羅もファルコンアローで切り返す。
両者エルボーの打ち合いから世羅がエアーズロックⅡ。世羅がトップロープを上ろうとするも、SAKIが阻止、ここからエプロンに戦場が移る。
エプロンでのセラリズムバスターは不発となり、そのまま両者場外へ転落。場外でセラリズムバスターを決めた世羅はさらにエプロンからダメ押しのダブルニーを落とし、カウント9ギリギリでリングイン。
SAKIは10以内にリングに戻れず、リングアウトで決着となった。リングアウトでも、もちろん勝ち点2点は獲得となり、世羅の作戦勝ちとなった。
▽バックステージ
世羅「1勝! 2点取りましたよ! ぶっちゃけね、Bブロックの中で強敵だと思っていたのはSAKIだったので、そこから2点もぎ取ったというのは大きかったかな。狙ってましたしね、場外が10カウントというルールを聞いた時に、これは使えるなって思ってたんで。まあ、知力勝ちというか、図ったなと言われても仕方ないんですけど、この調子で勝ち星どんどん取って波女になりたいと思います。(100万円の使い道は?)100万? 決まっているじゃないですか。プロミネンスのために使いますよ、ただ大会をするだけなのはつまららないので、海外での大会開催の資金にしたいと思います」
■ CATCH THE WAVE 2023〜Aブロック〜(15分1本勝負)
朱崇花<1勝=
2点>(6分26秒、ASKA FANTASY)柊くるみ<1敗=0点>


 過去2度出場している朱崇花だが、意外にも優勝経験はなし。3度目の出場で、波女の称号を得ることができるか。一方のくるみは昨日デビュー13周年を数えた。14年目となる今日、勝ち点で弾みを付けたい。
まずはくるみの握手を朱崇花が拒否。くるみはすかさずバックを取ると投げっぱなしジャーマン。
あまりの勢いに朱崇花は即座に場外へ降り、ダメージの回復に努める。しかしくるみはそれを追いかけ、客席へ朱崇花を放り投げて休ませない作戦に出た。
リングに戻ると、フットスタンプ×2からサマーソルトドロップ。カウント2で朱崇花はなんとか返す。
くるみはカナディアンの体勢に持っていこうとするが、朱崇花は一回転して着地すると、トラースキック。
くるみもショルダータックルからラリアットでエプロンへ追い込む。エプロン上での攻防となり、朱崇花はビッグブーツでくるみを場外へ落とすと、ラ・ケブラーダを敢行。
リングへ戻ると、ミサイルキックでさらに追い込む。カウント2でくるみはクリア。朱崇花はビッグブーツを至近距離で放つと、くるみもラリアットで対抗。朱崇花はスピンキックを決めるも、続くトップロープからのムーンサルトは剣山を食らう。
くるみはくるくるくるみからダイビングフットスタンプ。そしてカナディアン式に持ち上げるが、叩き落とすところを朱崇花が着地。バズソーキックを放つ。
くるみもラリアットで反撃するが、2発目を狙ったところをASKAFANTASYに捕らえられて3カウント。朱崇花がまずは幸先いい1勝を手にした。
▽バックステージ
朱崇花「あー、痛い…。え、何? くるみ?私、初対戦なんです、実は。一回も交えたことはなかったけど、ちょっとあれは反則じゃない? 人間凶器じゃない? マイナス5ポイントくらいからスタートしないと割に合わない。でもこの一戦を乗り越えたら、(Aブロックの)後はなんてことはないでしょ。ケガして当日休んでいるようだったらまだまだなんじゃないかな。私はそういう考えだな。まあ、せいぜい早く治してください。じゃあね!」
■ CATCH THE WAVE 2023〜エリザベスブロック〜(15分1本勝負)
宮崎有妃<2点>(12分6秒、体固め)旧姓・広田さくら<0点>
※直伝デスバレーボム。

 開幕戦のメインはエリザベスブロックの”奇跡”対決。ここ3大会、wave所属選手以外が波女に輝いているだけに、所属選手としても意地を見せたいところ。まずは2点をゲットするのはどちらか…。
宮崎の入場時、広田は奇襲でいきなりのトペを決めようとするが、腰にロープが引っかかって失敗。胸をなでおろす宮崎。
改めて両者コーナーに分かれて試合開始。宮崎はコスチュームの大部分にフリンジを施した新コスチューム。まずはリストの取り合い。
。前転する宮崎に合わせて広田も前転。今度は広田が腕を取ると、フェースクラッシャーからプロレスLOVEポーズ。そして高田純次を仕掛けるが、その都度、宮崎は起き上がる。業を煮やした広田が「ちょっとなんなんですか」とクレームを入れる。
宮崎は「広田、今日は本気で勝ちに行こうとしている。だから一切付き合わない」と返す。広田も「それは立派な考えですけど、私はつねに本気ですよ。全部いつもの通りやって、それで優勝します。だから、互いに1個ずつネタ…というか技をやって、メリハリにしましょう」と提案した。
まず、宮崎ははずかし固めを選択。いっぽうの広田は、「私の番がやってまいりましたー!」と側転式のボ・ラギノールからロープ渡りへ移行しようとするが、これは宮崎が2個目と判断したのか拒否。
広田はそれでもロープ渡りを狙うかと思えば、なんと取っていた腕へロープ最上段からのフットスタンプ。これに対して、宮崎はえびす落としからムーンサルトを見舞ったがこれは自爆。
広田はへな拳からへなーらサンセット、カウント2。コードブレーカーから夜叉ロックへ。これはロープに逃れられると、ウラカン・ラナを決める。これもカウント2。
宮崎は外道クラッチ。広田も外道クラッチでお返しするが、ともに2で決まらない。宮崎は投げっぱなしジャーマン、ラリアット。そしてダメ押しに重爆ムーンサルトを決めるが、広田はこれもカウント2で返す。
宮崎がフィニッシュに持ち込もうと持ち上げると、広田はこれもサクラライトで切り返す。ラリアットからのえびす落としに持っていっても、これもFFDで追い込まれる。何度も押さえ込まれる宮崎。
広田はへな拳からのボ・ラギノール。2度目のへな拳は宮崎がかわすと、逆ボ・ラギノールを決める。

 そして、ボ・ラギノールを決めたまま、コーナーへ広田を押し込む宮崎。広田をコーナーまで押し上げると、そのまま雪崩式のボ・ラギノール・スープレックスで投げ飛ばした!
ものすごい神業を見せた宮崎は最後に直伝デスバレーを決めて、粘りに粘った広田から3カウントをようやく奪い、勝ち点2点をゲットした。
宮崎がマイク。
「本日はCATCH THE WAVE開幕戦、ご来場誠にありがとうございます。試合前の練習で、網倉がけがをしたり、狐伯のカードが変わったり、ご迷惑をおかけしました。(四方にお詫びの礼)えー、本気です。本気で勝ちを狙っていこうと思います。エリザベスブロックで1位で勝って、波女で100万円、どうだっていいんです。私は志田に挑戦する権利がほしいんです。志田に挑戦する権利を勝ち取って、もっと先を見ています。復帰する野崎渚、あいつの前に立ってやろうと思っています。野崎、売店行っちゃったか? あのやろー。試合見とけよな(笑)。野崎の前に、ベルトを持って、仁王立ちする。そのために私は今ここでプロレスラーとして立っています。みんなたしかに広田が言ったように、波女を狙っているかもしれない。でも、私はみんなの気持ちよりも、もっともっと上を行っていると思っています。必ず波女になって、7月17日、決勝で私がここに立って、それに勝って、そのあと、志田とベルトを賭けて戦う、そして、勝つんです。…そこまで考えているんです。おまえら、100万円が欲しいだけだろ? 今日は初戦、広田さくら、彼女も色々いっぱい考えてきていて、昨日も大阪(で試合)で、それで帰ってきて今日だったのに、本当にすごいなと思います。広田、今日はありがとう」
 そして最後は宮崎による「これがwaveだ!」でシメとなった。
▽バックステージ
宮崎「余裕がなかったと言えば、余裕なかったんですが、やっぱり本気度が違うなと思いました。広田っていろんな技があるからいろいろ対策しようと思ってても、ああいうときに出る夜叉ロックが本当にきつくて。この後、サインしなきゃいけないんだけど、上手にできるかな? (最後に出たボ・ラギノールスープレックスはすごかったですが)もう本当に意地で(笑)、やったんですけど、広田軽いですね。投げ切れました。でも初戦は広田で本当に良かったなと思います。(この先のレジーナ戦への思いは?)志田とは去年やったばかりですけど、手が届かなかったですけど、触れたかなと。志田のレジーナ戦をいろいろ見てきて、私が一番触れたんじゃないかと思っています。あとちょっとでベルトを掴めると思っています。この確信は、私の中の想像じゃないと思います。(エリザベスブロックの今後は?)遠藤さんと試合するのは初めてだったり米山香織というあの生物はすごくないですか。40代と思えない幼い顔、だれからも愛されるあのキャラ。プロレス頭もすごいと思いますし…いや、でも絶対勝てると思います。(ここ3大会wave勢が優勝できていないが?)あーそうですね。Twitterで網倉が書いてて、いいなと思ったんですけど、網倉が(ブロック1位で)勝ち進んでいって、(自分もブロックで勝って)網倉と試合できたらいいなと思ったんですけど…。でも、網倉が悔しそうに泣いていて。去年、私が眼窩底骨折で途中欠場したので、悔しさはすごくわかります。でもあいつは乗り越えられると思うので、大丈夫だと思います」