2023.06.17

『Detras de Lazona vol.10』

日時
6月17日 土曜日
観衆
40人
場所
POST DI AMISTAD(ディアナ道場)
■入場式
 出場全選手が入場。あいさつはHimikoが務める。
「ワールド女子プロレスディアナのHimikoでーす。51歳ですがヤングブロックです。今日は自分のホームであるアミスタで試合ということで、アオハル全開で大空ちえさんと熱い熱い戦いをしますので、よろしくお願いしまーす」と元気よく意気込んだ。
■スクランブルwave(20分1本勝負)
狐伯&〇櫻井裕子(16分16秒、片エビ固め)旧姓・広田さくら&炎華●
※変形フェースバスター。


 まずは本日、公式戦のない4選手によるタッグマッチから試合開始。
 広田のテーマに合わせ、曲の終わりと同時に、炎華も広田とポージングを披露。
 広田はボディチェック時には中谷諒平レフェリーに「珍しいですね」と声をかける。一方の狐伯と櫻井は2018年でビューの同期タッグだ。
「自分が行きます」と先発に手を挙げる炎華。「下がります、ベテランなんで」とすかさず引っ込む広田。「よっしゃ行くぞー!」と対する先発の狐伯が声を上げる。炎華と狐伯でスタート。何気にこの組み合わせは珍しい。まずは組み合い、狐伯が押し込むがロープブレイク。再びロックアップ。炎華が押し返す。狐伯がアームホイップから低空ドロップキック。櫻井にタッチ。櫻井は炎華をロープに張り付け、背中へのドロップキック。カウント2。炎華も首固めからドロップキック。
炎華から広田へタッチ。ストンピングから炎華を呼び込んでコーナードロップキックを放たせる。続けて広田のスロー・ベイダータックル。カウント2。
広田は吊り天井狙い。しかし尻持ちをつき、上げることができず。館内から「あーあ」の声。「そんながっかりする?」と広田。すかさず「もう一回!」のコール。広田はコーナーに控える炎華に「お前、手伝え!」とアシストを促す。1.2.3で挙げようとするが、崩れ落ちる。広田は炎華に「使えねーな―」と八つ当たり。
 
 それでもめげずボディスラム。館内から拍手が沸き起こると、「拍手はいらねーわ、何年やってると思うんだ!」とツッコミを入れる。
続いて、交代した炎華がドロップキック3連発。そこから広田にタッチするが、首投げ一発だけで炎華に「いけー、行ってこい―!」とすぐにタッチ。炎華はドロップキック3連発。カウント2。広田にタッチするが、ストンピング1発だけで、再びタッチしようとする。「私ずっと出てます」と言う炎華に、「そう? じゃあ出るか」としぶしぶそのままリングに残る。
広田は櫻井に腕を取られると、その体勢のままコーナーを渡って、トップロープを前転で一回転。しかし、櫻井に揺らされて転落。櫻井はボディスラム。コブラツイストへとつなぐ。広田は必死に足をロープに突き出す。櫻井の突進をかわした広田はフェースバスターからのプロレスLOVEポーズ。そして、高田純次を狙いに行くが、途中で先ほどの腕のダメージが再発して、「炎華、あとは頼んだー!」とタッチ。炎華が代わりに高田純次を完コピで繰り出すも、フィニッシュで剣山を食らう。広田がすかさず飛び出し、櫻井に「お前が代わりにやろついうのかー!」と問いかけたところ、狐伯も出てきて、それぞれがドロップキックを食らう。ここから狐伯&櫻井の連携に。狐伯の低空ドロップキックから櫻井のボディスラム。さらに狐伯がドロップキックの連打からブレンバスターに持っていく。
広田は狐伯の腕を捕らえると、ロープ渡りを成功させ、カットに来た櫻井ともどもコルバタに捕らえる。さらにボ・ラギノールを二人に見舞い、シャイニングウイザードに行くもカウント2。
 炎華へタッチ。炎華がドロップキック3連発。フォールに行くも、狐伯が返す。それでも強引にフォールへ。狐伯が返す。もう一回、フォールに行くと、カウント2.9まで行く。ここで狐伯、炎華、それぞれドロップキック打ち合いに。さらにエルボー合戦と移り変わり、狐伯が打ち勝つ。コーナーの広田にもエルボーを打ち、炎華には低空DDT。櫻井にタッチ。
櫻井は、コーナーエルボー。カウント2。さらにネックロックに取るが、背後からカットに来た広田が櫻井にボ・ラギノールを連打。炎華はドロップキック。さらにSTFへ。狐伯がストンピングでカット。狐伯&櫻井がロープに振るが、炎華はボディアタックで返しに行く。しかし、二人にキャッチされ倒れない。広田が背後から、炎華の背中をストンピングで押し倒そうとするが通用せず、逆に広田へ炎華を落とされる。櫻井は再びネックロックに捕らえるも炎華は必死にロープへ。
ここで櫻井と炎華がバックの取り合い。狐伯がドロップキックでカットに入るがこれは同士討ちに。このスキに炎華のジャックナイフが決まるがカウント2。さらにジャパニーズレッグロールクラッチで畳みかけるも2カウント。櫻井もカウンターキックで反撃するが、これもカウント2。ならばとブレンバスターで強引に投げるもカウント2。ここで最後に変形のフェイスバスターを決めて粘りを見せた炎華からカウント3を奪った。
■CATCH THE WAVE 2023~ヤングブロック~(10分1本勝負)
〈2勝1分=5点〉大空ちえ(8分4秒、フィッシャーマンズクラッチ)Himiko〈1勝2敗=2点〉


 ヤングブロック公式戦。すでに鈴木ユラが2勝1分けで5点をマークし、首位を快走。これに続くのは果たして…。まずはHimikoが先制のドロップキック。フォールを3度に渡り持っていくもカウント2。短期勝負からスタミナを奪う作戦へとスイッチしていく。
Himikoはマウントパンチを連打。そして正面からのドロップキック。カウント2。髪をつかみ、ヘアホイップを狙うが、ちえが振りほどき、ドロップキック。そしてロープに張り付けからのパロスペシャル。Himikoを張り付けたまま、固定したところで背中へのドロップキック。ワキ固め。
Himikoがロープに逃れると、腕をめがけてのドロップキック。さらにストンピングの連打と畳みかける。そして、コーナーに追い込むとストンピングから足をHimikoに乗せて全体重をかける。
しかし、コーナーエルボーはすかされると、逆にHimikoがコーナーエルボー。さらに、コーナーに振ってのドロップキック。そして、ちえの体を反転させてクルスフィックス。ちえはなんとかロープににじり寄る。ちえはカニ挟みで足をすくい形勢を逆転すると、フットスタンプ。アームホイップからV1アームロック。Himikoも意地でロープへ。
えはエルボーを3連発。5分経過。Himikoも打ち返すと、ちえも打ち込む。Himikoも負けじと3度打ち込み、さらにエルボースマッシュからフェイスバスター3連発。続けてギロチンドロップ。カウント2。
「決めるぞー!」とダブルアームの体勢に取るが、ちえがショルダースルーで返し、続けてブレンバスター。間を置かず、セカンドロープに上ってミサイルキック。カウント2。今度はトップロープからショルダータックル。
Himikoも何とかカウント2で返しながら、横十字固めで丸め込む。カウント2。反撃のペディグリーを繰り出すもカウント2。
もう一発ペディグリー狙いで行くが、ちえがDDTで返す。ちえがバックを取るがHimikoは重心を落として防ぐ。ならばと正面を向かせると、延髄蹴りからフィッシャーマンズクラッチへと繋いで3カウント。ちえが2点を獲得し5点。これでトップのユラと並んだ。
・バックステージ
ちえ「いやー、危ない場面が結構あって。一回Himiko選手が自分じゃなかったんですけど、POP戦をしていたことがあって、その試合を間近で見させていただいて、負けていられないなと思っていたんですが、その一心で戦いました。最後ギリギリで勝てて、次ユラ選手にも絶対勝って、波女に近づきたいと思います」
■CATCH THE WAVE 2023~エリザベスブロック~(15分1本勝負)
〈2勝1敗=4点〉米山香織(10分7秒、エビ固め)チェリー〈1勝2敗=2点〉
※春夜恋を切り返す。



 エリザベスブロックは宮崎と遠藤が4点でトップグループを形成。米山、チェリーとも勝てば4点とトップに食い込めるがどうなるか?
 ゴキゲンBBA対決による公式戦。まずはチェリーが「米ちゃん、正々堂々お願いします」と握手を求める。米山も「正々堂々とよろしくお願いします」と言いつつ、握手を放さない二人。
コーナーにいったん下がろうと後ろを向いた米山のスキを突き、まずチェリーがスクールボーイ、首固めと連発。米山も首固めでお返し。
すると、チェリーは首固めのまま回転させて行きフォールへ。カウント2。米山は髪をつかむがチェリーもつかみ返す。
今度はチェリーが耳を持ち、耳ホイップ。さらに耳そぎチョップ。そしてキャメルクラッチに取り、髪を引っ張る。これをしのいだ米山は鼻をつまんでお返し。
そして首4の字へ。チェリーが切り返し、インディアンデスロック。米山は自らのコールを連呼し、ロープブレイクへ。
チェリーは強引に中央へ引きずり、腕ひしぎを狙う。ロックが外れないとみるやアキレス腱へ移行。これを回転して米山はロープへ逃れる。チェリーは足を取り、ストンピング。さらにその足をロープに絡める。
そして今度はマウントを取り、再び腕ひしぎを狙うが、米山もグラウンドのネックロックで切り返す。さらに一回転して搾り上げ、ギブアップ狙い。
首から抜け出したチェリーはマウントパンチ。フォールに行くもカウント2。そして反則のチョーク。レフェリーが反則をチェックに近づくと、レフェリーの両腕を取ってのクロスライン。
チェリーはスリーパーにとらえ、さらにそのままフォールもカウント2。「くそー、しぶてえ野郎だ」とチェリー。米山はモンゴリアンで反撃。3発目をカットしたチェリ-はボディへのグーパンチからどっこいしょ狙い。
これを逆どっこいしょに切り返されるも、米山の足をすくい、変形の足4の字へ。ロープブレイク。首を掻っ切るポーズを見せたチェリーだが、米山はDDTで反撃。すかさずアンクルを取るも米山はこれを抜け出すと、ノーザンライトスープレックスからのセントーン。カウント2。さらにセカンドロープからのセントーンは自爆。
チェリーがダブルリストアームサルトも2カウント。米山はヒザを打つがチェリーも裏拳。ダブルダウン。

 ヒザを付いた状態でエルボーの打ち合いからスタンディングでの打ち合いへ。米山は「来いよ、オラ-」と挑発。ならばとチェリーは足をふみつける。ここから春夜恋狙いも米山が返し、そこからエビ合戦。いずれもカウント2で返して決まらず。
ファンタジーイリュージョンも米山が切り返して逆フォール。チェリーは裏拳から再度、春夜恋を狙ったが、これを回させず、回転の途中でエビ固めに捕らえた米山が3カウント。お互いをよく知る者同士の戦いは米山がなんとか辛勝した。これで米山は4点で宮崎、遠藤と並んだ。
◆バックステージ
米山「今日はチェリーさんとゴキゲンBBA対決だったんですけど、やっぱり裏の読み合いになって、厳しい戦いになったんですけど、勝てて良かったです。最終戦は宮崎さんと…去年のCATCHでは囲碁盤デスバレーボムで敗れているんですけど、囲碁盤が壊れたということなので、勝利を確信しています!」
■チャレンジwave(15分1本勝負)
宮崎有妃(8分11秒、片エビ固め)田中きずな
※えびす落とし。


 CATCH公式戦を差し置いてメインに抜擢されたきずな。宮崎の胸を借りるチャレンジマッチのシングル戦がメインとして組まれた。
まずは「お願いします!」と握手を求める。宮崎は「おまえわかってるか、メインだぞ。お前1対1で…」と説明をしているところで、きずなはエルボーを放っていく。これには「暴力かー。クソガキー」と首投げ。そしてコスチュームの一部である手首の飾りを見て、「今日はちゃんと付けてきてんだなー」と確認。腕を取り、両手首の飾りを取ると、場外へ放り投げる。忘れずに付けてきたのだが、外されるハメに…。
そしてブレンバスター。カウント2。今度はキャメルクラッチの体勢から髪を引っ張る。
「もう終わるぞー!」と宮崎は予告するが、コーナーへの振りは逆転し、きずながドロップキックを放つも空振りに。宮崎ははずかし固めの体勢に取り、「あのー、はずかし固めやろうと思うんですが、みなさんすいません、カメラを低くして下げてください。撮るならピントをずらしてください」と注意を促す。そして決める姿勢に入ると、きずなが「パパ―!」と絶叫。
もしかして会場にいるのかと一瞬、静まり返る場内。「あれ?広島(で試合)じゃなかったの?」と宮崎も気になる様子。しかし何も起こらず。「ウソついたなー!」と再びはずかし固めをトライするが、これは1回転して脱出。そのままきずなは控え室へ姿を消す。逃亡したのか?とザワつく場内。しばらくすると、waveTシャツを手に、戻ってくる。
そして宮崎の顔面にかぶせる。宮崎を何も見えない状態にさせてリングへ上げる。「まあまあ、宮崎さん…」と広田がTシャツを取ろうとリングへ入ると、周りの見えない宮崎はきずなだと思い込み、はずかし固めを敢行。「誰も見たくない」とレフェリーが言う中で、開閉式に移行する。
技を解いて、Tシャツを取ると、目の前には悶絶する広田が。ようやく気づいた宮崎は苦笑い。きずなはドロップキックを3連発。これを捕まえた宮崎はボディスラムからのギロチン。さらにロープの反動で攻撃をしようとするが、広田が宮崎の足をすくい、きずなをアシスト。
しかし、きずなは「大丈夫ですか?」と宮崎を気遣う。「心配するなー!」と宮崎は張り手。そしてヘアホイップからコーナーに押し込んで、顔面を踏みつける。
これをしのいだきずながネックブリーカーを3連発。セカンドロープに上がるが、「遅いんじゃボケー!」とカットに入ろうとする。きずなはすかさず腕を取り、雪崩式腕ひしぎを決める。
宮崎はラリアットで流れを引き戻すと、セカンドロープからのミサイルキック。カウント2。
さらに宮崎はラリアット2連発。フォールに行くが、これを横十字固めできずなが切り返しが逆転フォールもカウント2。さらに逆さ押さえ込み。カウント2。
宮崎はラリアットを打ち込むがカウント2できずなはクリア。一気に勝負を決めるべく、宮崎はえびす落としを繰り出し、3カウントでとどめを刺した。
試合後はきずなへ寄り添い、肩を貸して一緒に立ち上がる。そして観客へともに礼を示した。
宮崎がマイク。
「今日はご来場誠にありがとうございますー。配信を見ているみんなもありがとうー。それもしても予想外の展開で…。あいつは、もういい加減にしとけよ! (きずなの父が)マジで来たのかと思った。でも、どっちの方向に突出してもこの子たちの成長がすごく感じられる一戦になったと思います。1試合目の炎華にしても。この団体にいたらああいうこともあると思うのでね、ああいうっていうね。(セコンドにいる広田を指し)こちらのね、こういうこともあるんで。どんな時でも対応できる選手になるんじゃないかなって思っております。私事で言えば、次の24日の千葉大会、25日の新木場大会、米山、そしてチェリー。CATCHに関して言えば負けるつもりなんて1ミリもないと思っています。真の部分でこのCATCHは私のものにしようと思っていますので、私は勝つんで相手の応援でもしておいてください」

 ここで控え室から米山とチェリーが飛び出してくる。
「みんな米山とチェリーの応援をしてくださいー!」と煽る二人。米山コールとチェリーコールが起きる。満足げに二人は再び控え室へ。
「はい、愉快なおばさんたちでした(館内・笑)。米山とチェリー、でも、運と実力を持ってますからね。運のほうが強いとは思いますが。運を持っている人って、そうそういないですからね。自分の波に乗せるパワーがあるし。簡単に行く相手ではないと思います。それでも私は必ず勝ちます。必ず勝ちます」と宮崎は必勝宣言。最後は恒例の「これがwaveだ!」でエンディングとなった。