2022.07.03

『NAGOYA WAVE~キン☆シャチ~vol.23』

入場式
順に呼び込まれる形で出場全選手がリング上に勢ぞろい。あいさつに指名されたのは旧姓・広田さくら。
「ありがとうございます。ご紹介にあずかりました旧姓・広田さくらでございます。前説に出てきた旧姓・広田さくらでございます。名古屋大会はCATCHのリーグ戦がありますが、あってもなくてもどんな時もメチャクチャお客さんが盛り上がって楽しんでくれてると思うので、今日も(試合を)やる私たちが楽しみです。名古屋でやれることをすごい楽しみに思ってます。それに加えて今日は決勝のリーグ戦。ほんとに新宿FACE、昨日の大会(大阪)もそうなんですけど、メチャクチャいい試合なんですよ。いや別にハードル上げてるわけじゃないですよ。ほんとに私は一本目(1試合目)……お母さんの語りみたいな感じになってしまってますが、セコンドについてて毎回、涙が出そうなぐらいみんな切磋琢磨して成長も見られるし。だから勝ち負けを争うものではありますが、終わったら闘った選手たちに万感の拍手を送っていただきたいと思います。それでは全5試合となりますが、精いっぱい闘い抜きますので、最後まで楽しんでいってください」
その後、第1試合出場6選手だけが残って、組み合わせを決める抽選会。チェーンを引き合い、広田、孤伯、高瀬みゆき組vs優宇、沙恵、川畑梨瑚組と決定した。
全選手がリングを下りたのち、欠場中の桜花由美と宮崎有妃がリングインして、それぞれがあいさつ。
 宮崎「皆さん、こんばんは。6月11日のAMIATAD大会で目を負傷してしまい、眼窩底骨折となりまして、見た目は全然元気なんですが、骨だけが折れてるということで欠場になりました。13日にもう1回検査をして、それで大丈夫なら7月17日の後楽園で復帰したいと思います。でもまだ検査をしないとわからないので、期待させること言ってあれなんですが、でも必ず復帰したいと思います。応援よろしくお願いします」
 桜花「皆さん、こんばんは。前回の5月15日、名古屋大会でヒザを骨折した桜花由美です。前回の名古屋大会の時に、試合中にヒザがバキバキバキといって、そのまま戦線離脱し、“私、プロレス人生終わった”と思いました。もう、1年以上欠場だと思ってたんですが、早くて3カ月で復帰できるということで、ドン底から、私は未来が見えるようになりました。8月13日、14日の15周年の大会に向けて復帰をしたいと思ってリハビリに励んでおります。ほんとに“なるはや”で復帰したいと思っておりますので、次の名古屋大会ではちゃんと試合してるところを見せられるように頑張りたいと思います。それまで待ってください。よろしくお願いします」
1、NAGOYA・スクランブルwave(30分1本勝負)
優宇、○沙恵、川畑梨瑚(14分0秒、片エビ固め)旧姓・広田さくら、高瀬みゆき、孤伯●
※マッドスプラッシュ


 前日は対戦した旧姓・広田さくらと高瀬みゆきがlこの日は同じチームに。そこに孤伯が加わった形だが、広田と高瀬がサクパラダイスモードで入場してきたとあって、孤伯は置き去りにされているような感じ。「緊急だけどあんたも入りたいんだったら入ってもいいよ。今日だけだからね」と広田に言われたものの、やっぱり入りきれない。
 サクパラダイスの掛け声の後、いきなり突っ込んでいったが簡単に迎撃されてしまう。そして広田が集中攻撃を浴びる。沙恵と川畑梨瑚が両腕をロックすると、ピラミッドを狙って優宇が広田の背中に乗るがポーズを決める前に潰れてしまう。
リング下から戻ってきた高瀬と孤伯が相手の3人を同じコーナーに追い詰めると、3人に向かって広田を振った。しかし沙恵にブーツで迎撃される。2度、3度と迎撃されたが4度目は3人が一斉に身をひるがえし、コーナーマットに激突した広田。そこに孤伯、高瀬をぶつけたところへ優宇が突進。高瀬、孤伯が間一髪かわしたことで、広田だけが押し潰された。
落ち着いたところで、リング内は川畑vs広田に。広田のリストをつかんでしぼり上げていく川畑。回転して切り返そうとする広田。ロープを使って返そうとトップロープの上をローリング。切り返すことはできなかったが、ロープから転落はしなかった。調子に乗ってもう1回。前転は成功したものの、後転では転落してしまった。
 反撃に転じた広田は川畑をロープに張りつけにしてボ・ラギノール。川畑のサイドヘッドロックをボディーにヒジをぶち当てていって外した広田はエルボーをアピール。広田のサイドヘッドロックを同じようにボディーにヒジをぶち込んで外した川畑もエルボーをアピールしたが、川畑の方がはるかにアピールの派手さとキレ、スピードは上で、観客の拍手を浴びた。川畑は得意満面の表情。
カウンターのドロップキックを決めた川畑に対し、広田はフェースクラッシャーからプロレスLOVEポーズ。
 タッチを受けた高瀬はドロップキック、DDT、背後から飛びついてのネックブリーカードロップを決め、ロープに張りつけにして逆水平、左右の振り下ろすようなチョップを連発で叩き込んでいく。高瀬がロープに走ったところでリングに飛び込んできた優宇がカウンターのダブルチョップを決めると、川畑はコーナー背にした高瀬にミドルキックを叩き込む。高瀬もパワースラムを返していったが、川畑はひるまずトラースキック2発を返していった。
替わった沙恵は走り込んでのビッグブーツを高瀬に見舞うと、フィッシャーマンズスープレックス。しかし高瀬もコーナー2段目に飛び乗ってのドロップキック、串刺しラリアット、コーナー2段目からのダイビング・フォアアームを返していった。
 高瀬が沙恵をボディーシザースにとらえるとダイヤル固めへ。回転させられて沙恵の体がうつ伏せ状態になるたびに、広田がボ・ラギノールを突き刺していく。さらに孤伯が飛び込んできて広田をシーソーホイップで飛ばすと、その勢いで沙恵にボ・ラギノールを決める。続いて孤伯が沙恵にミサイルキック、ドロップキックを決めれば、沙恵もDDT、ビッグブーツを返してスピアを決めた。そしてドラゴンスリーパーへ。ここは広田にカットされてしまった。
 その広田を優宇がエルボーで吹っ飛ばし、高瀬が優宇にDDT、川畑が高瀬にトラースキック、孤伯が川畑にドロップキック、沙恵が孤伯にビッグブーツと次々と選手が飛び込んで着ての攻防に。
高瀬が串刺しラリアットを決めてコーナーで腰を落とした沙恵に、孤伯が低空ドロップキックを突き刺す。そして高瀬と孤伯がダブルブレーンバスター。カウント2で返されると孤伯が沙恵をリバースフルネルソンに固める。しかし飛び込んできた川畑のハイキック2発を浴びてしまう。
 ここで沙恵と川畑が孤伯に対してダブルブレーンバスターの体勢に。広田がスワンダイブ式の攻撃でカットしようとしたものの、エプロンからジャンプしたところでトップロープに引っかかって転落。ならばと高瀬がミサイルキックでカットしようとしたが、孤伯に同士打ち。
 コーナーを背にした孤伯に沙恵が串刺しビッグブーツ、川畑がソバット。腰を落としたところに優宇のキャノンボールが飛んでいった。続いて沙恵のセントーン。ここはカットが間に合ってカウント3ならず。
 孤伯のバックに回った沙恵にボ・ラギノールを狙った広田だったが、かわされたため孤伯に誤爆。さらに高瀬のラリアットも沙恵にかわされて孤伯が浴びてしまった。ビッグブーツはカウント2で返されたものの、すかさずマッドスプラッシュを投下してカウント3。前夜のリベンジを果たした。
2、CATCH THE WAVE 2022決勝リーグ戦〜Bブロック〜(15分1本勝負)
△青木いつ希<1勝1敗1分=2点>(時間切れ引き分け)梅咲遥<1勝1敗1分=2点>△

 互いに勝ち点2を挙げて進出者決定戦に持ち込みたいところ。さらに2試合目を考えれば、スタミナのロスもできるだけ少なくしておきたい。それもあって試合開始のゴングが打ち鳴らされるや、いきなりエルボーの打ち合い。梅咲をロープに追い詰めてエルボーを何発も打ち込んでからロープに走る。ここで梅咲はカウンターのドロップキックを叩き込み、ダウンした青木に馬乗りになってエルボーを何発も振り下ろしていく。コーナーに振られた際、スライディングしてリング下に降りた青木。それを追った梅咲は、リング下でエルボーを打ち合う。カウント8で先に戻った梅咲は、遅れてリングに戻ってきた青木にドロップキックからボディースラム。そしてダブルレッグロック、弓矢固めと攻め立てる。さらにロープに張りつけると、背中にドロップキックを見舞っていった。
コーナーへの突進をかわした青木は、梅咲の腰にショルダーブロックを連続して浴びせていく。さらにショルダータックル、倒れ込み式ボディープレス、腰へのストンピング、踏みつけ、ニードロップと攻め込んでいった青木は、リング中央に引きずり戻して逆エビで締め上げていく。ロープに逃れようとする梅咲をリング中央に引きずり戻して再度、逆エビを決めようとした青木だったが、梅咲はフジワラクラッチの要領で丸め込んていったもののカウント2。
 動きが止まった梅咲にエルボーを打ち込んでいくが、梅咲も正面からエルボーを打ち返していく。しかし威力は青木の方が上。青木がロープに走ろうとしたところを髪をつかんで引き倒した梅咲は、ダブルフットスタンプ、低空ドロップキック、ミサイルキックと畳みかける。
梅咲の攻撃をかわしてバックに回り、相手の体を反転させて大外刈りを決めた青木は、背後からダブルニーアタック、高速ブレーンバスター、腰へのダブルニードロップ、うつ伏せ状態の相手にコーナー2段目からボディープレス。そしてダブルレッグロック式の逆エビ、逆片エビでギブアップを迫る。梅咲は何とかサードロープに手を伸ばしてブレイクに持ち込んだ。
バックに回って梅咲を引き起こした青木。スタンドでエルボーを打ち合い始めたところで「残り時間3分」のコール。梅咲がロープに走った青木を追いかけてドロップキックを決めれば、青木もロープ委に走った梅咲を追いかけてラリアットをお返し。さらに自ら走り込んでのラリアット。カウント2で返され、「残り2分」のコールを聞いたところでラリアットを狙っていったが、梅咲はキューティースペシャル気味に後方に投げつける。そして両者ともヒザを着いた状態でエルボーを打ち込み、立ち上がってのエルボーの打ち合い。
「残り時間1分」でコーナーに上がった梅咲は180°旋回してのボディープレスを放っていったがかわされてしまう。青木は梅咲が起き上がるところに走り込んでのラリアット。しかしカバーしようとしたところで逆に丸め込んでいったのは梅咲。青木がカウント2で返したところで「残り30秒」のコール。青木がラリアットからフロントキックを叩き込んだ瞬間、タイムアップのゴングが鳴り響いた。
その瞬間、青木の動きがピタッと止まり、少しの間があってから全身の力が抜け落ちるようにストンと腰から崩れ落ちていった。高瀬に背負われて控室に戻る梅咲。青木は「アーッ!」と叫ぶと、魂が抜け落ちたような表情でリングを後にした。
3、CATCH THE WAVE 2022決勝リーグ戦〜Aブロック〜(15分1本勝負)
○米山香織<1勝2敗=2点>(2分9秒、米-ZOU)世羅りさ<1勝1敗1分=2点>●

 米山香織にとってはこの試合に勝利して、メインが両者無得点試合になることが唯一、決勝に進める道。世羅りさからすれば、ほとんどチャンスが残されていない相手に足を引っ張られるわけにはいかない。それだけにむしろ、プレッシャーは世羅の方がはるかに大きい。
いきなりエンジン全開でぶつかり合う。米山が仕掛けてきたボディーアタックを受け止めて前に叩き落とした世羅は、ジャイアントスイングで振り回していく。バランスを失ってふらふらとコーナーに寄りかかる米山に対し、串刺しバックエルボー、ランニング・ダブルニーアタックを決めた世羅はリバーススプラッシュ式のダブルニードロップをボディーに突き刺す。
米山を肩に担ぎあげた世羅。米山は後方に滑り下りて丸め込んでいくがカウント2。ロープから返ってきた米山を肩に担いだ世羅はエアーズロックで叩きつけた。これもカウント2。
一気に勝負に出た世羅は、シュバインバスターを狙って米山を逆さに担いだ。ここで米山は世羅の背中に絡みつく。そして世羅の両ワキに自身の足をこじ入れると、そのまま勢いをつけて回転、米-ZOUで叩きつけた。そしてがっちりエビに固めるとカウント3が数えられた。
 世羅にとってはまさかの黒星。しばらく大の字のままだった米山がレフェリーに腕を上げられるのを見て苦笑いするしかなかった。
 両者とも2点でリーグ戦終了。メインが両者無得点試合に終われば、決勝進出の望みがよみがえってくるが……。
4、CATCH THE WAVE 2022決勝リーグ戦〜Bブロック〜(15分1本勝負)
○鈴季すず<2勝1敗=4点>(13分10秒、ジャーマンスープレックスホールド)清水ひかり<1勝2敗=2点>●

 握手を交わすことなく、試合開始のゴングが鳴るまで互いに自分のコーナーから動かない。ゴングが鳴らされるや、コーナーを飛び出した両者。いきなり激しくぶつかり合う中で、清水ひかりがカウンターのミドルキックを決めた。さらに狙いすましたキックを叩き込み、スリーパーで絞め上げていく。サードロープに足を伸ばされてブレイクに持ち込まれたが、ロープに張りつけにしてキックをぶち込み、背後からドロップキック。
清水がロープに走ったところで、カウンターのフロントキックで清水の動きを止めた鈴季すずは、正面からエルボーをぶち込んでいく。そしてスタンドに戻ると、交互にエルボーを打ち合っていく展開に。鈴季の気合を入れたエルボーに対し、清水はローキック5発からハイキック。それをかわした鈴木はバックに回る。しかし清水は投げさせない。
ロープを挟んでの攻防で、エプロンに出ていた鈴木がドラゴンスクリューを決める。さらにロープを使って清水の右脚を痛めつけてミサイルキック。カウント2で返されると、「終わり!」と叫んでバックに回った。またしても清水は投げさせず、最後はロープにしがみついてブレイクに持ち込んだ。
 ロープに走った鈴木をレッグラリアットで迎撃した清水。さらに自ら走り込んでのレッグラリアットを決めるが、鈴季はエルボーを返していく。清水がハイキックを叩き込むと、鈴季は走り込んでのフォアアーム。しかし清水もハイキックをカウンターで合わして両者ダウン。カウント8で立ち上がると、またもやエルボーの打ち合いに。このあたりは意地の張り合い。連発で打ち込んでいった鈴季。動きが止まった清水を引き起こした鈴木。ここで清水は鈴季の足を払ってダウンさせると、馬乗りになって狂ったようにエルボーを振り下ろしていく。そしてバズソーキック。今度は鈴季の動きが止まった。
ダウンした鈴季を冷ややかな表情で見下ろしていた清水。鈴季の上半身を引き起こしてバズソーキックをもう1発見舞う。さらにカウント7で上半身を起こしてエルボーをこれでもかと叩き込み、コーナー最上段から急降下ダブルフットスタンプ。しかしカウント3は入らない。ならばと、鈴季を強引に立ち上がらせるとハイキックを決めた。
鈴季が上半身を起こしたところにキックを放っていった清水。それをかわした鈴季は、カニカニクリップで丸め込んでいくがカウント2まで。清水が決めたカウンターのハイキックはカウント1。鈴季もトラースキックをカウンターで叩き込んでジャーマン。ここはカウント2で返したものの、レインメーカー式の変形ロックボトムからジャーマンにつないでカウント3を奪った。
 この結果、Bブロックは鈴季が勝ち点4で単独トップ。決勝戦進出を決めた。
5、CATCH THE WAVE 2022決勝リーグ戦〜Aブロック〜(15分1本勝負)
○野崎渚<2勝1敗=4点>(13分0秒、レフェリーストップ勝ち)SAKI<1勝1敗1分=2点>

 
勝利した方が決勝進出。引き分け無得点試合となると、Aブロック4選手が2点で並んで進出者決定戦になだれ込む決勝リーグ最終公式戦。同じブロックの世羅りさ、米山香織、そしていち早く決勝進出を決めた鈴季すずもアリーナ後方で勝負の行方を見守るなか、試合開始のゴングが鳴らされた。
 ここまでの公式戦3試合と異なり、静かな立ち上がり。グラウンドでのバックの取り合いから、まずはSAKIがフロントヘッドロックを決めるが、野崎渚はスリーパーで切り返していく。慌ててロープにに逃げたSAKIだが、野崎は背後からブーツを叩き込んでいった。
そのまま上半身がセカンドロープの上からエプロンに出ているのを見た野崎はおしゃれキックを狙う。それを寸前でかわしたSAKIは、そのまま場外戦に持ち込む。互いにエルボーの打ち合うなかでカントが進むも、互いに相手をリングに生還させない、何とかともにカウント9でリング内に転がり込んで無得点試合は逃れた。
 互いにビッグブーツを打ち合う中であらためておしゃれキックを決めた野崎はコーナー最上段に上がるが、SAKIが雪崩式ブレーンバスターで叩きつけ、走り込んでのビッグブーツ。野崎がSAKIをドラゴンスリーパーにとらえて立ち上がる。SAKIはそれを切り返し、さらに野崎の体を逆さに抱え上げると、そのまま尻もちをつく形でマットに叩きつけていった。ここで「5分経過」のアナウンス。
野崎がビッグブーツ2発からまたしてもコーナーに上がる。セカンドロープに足をかけてきたSAKIを、そのままコーナー上でサイドからのスリーパーにとらえ、ミサイルキック、ランニング・ダブルニーアタック、ノアールランサーと畳みかけていった。
 グラウンドでドルミルにとらえたようとした野崎。それを後方に回転して逃れたSAKI。互いに相手の手の内を知っているだけに、容易に決まらない。
グラウンドに引き込んでドルミルを決めた野崎だが、ロープブレイクに持ち込まれた。SAKIのボディーを蹴り上げた野崎は、ノアールランサーからレインメーカー式のビッグブーツ。続いてノアールランサーを放っていったが、それをかわしてサイドからヒザをぶち込んだSAKIはストレッチボムを狙う。これは不発に終わったが、強引に野崎を肩に担ぐとデスバレーボム。さらに前から後ろからビッグブーツを叩き込んでいったがカウント2。
「10分経過」のアナウンスを聞いたところでランニング・ブレーンバスターを決めたSAKI。そしてコーナートップからダブルニードロップを放っていったがかわされて自爆。ヒザを強打したところにノアールランサー・ハイを見舞っていった野崎。これもカウント2。
 レインメーカー式ビッグブーツをかわしたSAKIは、ストレッチボムをスープレックス気味に後方に投げていった。これでもカウント3は入らない。
走り込んでのビッグブーツをかわした野崎は、素早くバックに回ってドルミルを決めた。そしてそのまま後方に投げ捨てスープレックス。カウント2で返されると、下からBLACK OUTで捕獲する。そのまま絞め上げると、SAKIの全身から力が抜けた。それを見たTommyレフェリーが試合をストップ。野崎の勝利を告げた。
 この結果、Aブロックは野崎が得点4で決勝進出。2022年の波女決定戦は野崎vs鈴季と決まった。
勝利して決勝進出を決めた野崎。マイクをつかむと、「『CATCH THE WAVE 2022』、決勝戦に進むことができました。レジーナだから負けれないってずっと思ってて、決勝に上がることが当たり前だとずっと思ってたけど、やっぱり当たり前なんかなくて、みんな、みんなほんとに強いです。そんな強い人のなかで決勝に上がった鈴季すず、(リングに)上がって来いよ」と決勝での対戦が決まった相手をリングに呼び込んだ。
「すず、あなたと私、シングルマッチやったことなかったよね。なんならタッグでも、試合したことも組んだこともなかったよね。正真正銘の初対決。7月17日、後楽園ホールで、すずと“波女”懸けて闘います。楽しみにしてます。ということで、次は7月17日、後楽園ホールとなったわけですが、この3連戦、みんなで無事に乗り越えられたということで、参戦している選手みんな、リングに上がってください」と、最近の女子プロレスでは珍しく、東京、大阪、名古屋とコースを組んでの3連戦に出場した選手全員をリングに呼び込んだ。
全員がそろったところで改めて「ということで締めさせていただきます」と前置きしてから、「いよいよ『CATCH THE WAVE』最終戦、7月17日、後楽園ホールとなっております。名古屋からは遠いかもしれませんが、ぜひ、正真正銘初対決を見に、後楽園に必ず来ること。これは正式決定。今、野崎様が決めた、決定! これがWAVEだ!」で東名阪3連戦は幕を下ろしたかに思われた。
ところが、記念撮影を終えた直後、野崎がリングを下りようとした鈴木を呼び止め、「すず、どうせだったらさ、波女だけじゃなくて、レジーナ懸けない?」と、決勝戦をタイトルを加えた2冠にすることを提案。本部席にいた二神美紀子会長の確認を取りつけると、「波女とレジーナ懸けて、正真正銘初対決、楽しもうじゃん」と右手を差し出した。それにこたえる形で握手を交わした鈴季。
「それじゃあ改めて、7月17日、『CATCH THE WAVE』決勝、波女とレジーナ懸けてすずと闘うの、必ず見に来くること。これは正式決定。今、野崎様が決めた。決定!」
 次の瞬間、ここまで黙って野崎のマイクを聞いていた鈴季が襲い掛かると、ベルトを奪ってそれで一撃。ダウンした女王を見下ろし、「鈴季すずが最年少波女、そして第18代レジーナチャンピオンになってやるよ。昨日今日(一昨日、昨日)と、プロミネンスが大会締めたんで、今日の名古屋大会もプロミネンスの締めでやっちゃいましょうかね」とエンディングを乗っ取る。そして「これは正式決定。今、鈴季様が決めた。決定! Let's プロミネンス!」の叫びが会場にこだました。
バックステージ

野崎「本当にレジーナとして必ず決勝戦に上がらなきゃと思っていたので、ほんとによかったです。久々にリング上で涙を流してしましました。(決勝の相手)すずとはほんとに触れたこともなくて、試合を見る一方だったんですけど、19歳であの、なんていうんですか、堂々たる姿、闘う姿は本当にいつか試合したいと思っていたんで、波女の最高峰で闘えることがすごく楽しみです。ちょうど(ベルトを)持ってたので懸けちゃおうと(苦笑)。私、レジーナだし。懸けたら面白いんじゃないかなって思ってしまったので、思わずいてしまいました。でも、波女とレジーナを(同時に)懸けるっていうのは今までなかったと思うので、今までない初めてのことを、初めて触れるすずとやるってことにすごく意味があると思ってます。今年こそは。もうほんとに、つらい思いをたくさんしました。あと一本のところで(波女を)獲れないっていうがはほんとに悔しくて。悔しくて悔しくてたまらなかったんで、今度こそレジーナと波女、私の手のもとで、後楽園締めたいと思います」
鈴季「いやぁ、今日もなんとかジャーマンで相手を沈めて、なんと、なんとですよ、レジーナ(王者と)と波女を懸けて、そしてレジーナのベルトを懸けて闘うことができます。まぁ今日、リング上で言った通り、鈴季すずが勝って、最年少波女、18代レジーナチャンピオン、その2つをかっさらったうえでプロミネンスの締め、『Let'S go プロミネンス!』で後楽園大会締めたいと思うので、皆さん、『Let'S go プロミネンス!』(のポーズ)、練習しといてください。よろしくお願いします。野崎渚の印象? 脚も手も体も長い。自分はあの長さは手に入れられないけど、そんな野崎渚、彼女もきっと、打撃を得意としてるんじゃないかと思うんで、エルボーかち込んでやりたいなと思っております」