2024.03.20

「Detras de Lazona vol.17」

・入場式
 2010年3月20日、大阪・世界館でのYOUNG OH! OH!にてデビューした野中リングアナが今日で15周年。今回のカードは野中リングアナがすべて自分で考案。試合順やルールまで細部にわたって、決めたこだわりの大会となった。
 入場式では選手を代表して広田より挨拶なのだが、名古屋弁を全開。
「こんにちわー。すごい入っとるわ、今日はめっちゃ。ありがとねー。なんで、こんなしゃべり方しているというと、名古屋弁でしゃべらんといかんのわ。今からならさんと出て来んで、急に言われて切りかわらんで、いま名古屋弁でしゃべらせてもらとるわ。言いたくもないのにミチコカワイイ言わされて、ごめんね(場内・笑)。来てまったもんわ、
しょうがないわ。だで、今日はしたがって楽しい興行しようと思っとるんで、最後まで楽しんでいきゃーー」
 という、広田は第2試合に控える、名古屋弁をしゃべらなければいけないルールの試合に向けて、入場式の挨拶でウォーミングアップした。

1,野中の絆WAVE〜We are ノナカーズ〜(20分1本勝負)
櫻井裕子&○SAKI(10分20秒、エビ固め)田中きずな&炎華●


 きずな&炎華のアルモニーに対して、野中リングアナがこの試合は楽しく、ハッピーに、さらにタッグの絆も見せてほしいという願いから。いっぽうのSAKI&櫻井は、野中リングアナがCOLOR’S大会でリングアナとして活動している縁からのこのカードとなった。
 COLOR’Sはおなじみ、COLOR’Sダンスをしながらの登場。アルモニーが入場すると、SAKIが「こっちがいい」とアルモニーサイドへ。1対3になるのか? というムードの中、櫻井がSAKIと握手をかわすと、そのまま手を握ってCOLOR’Sサイドへ連れて行く。「しょうがないなあ」とSAKI。
 SAKIときずなでスタート。きずなは開始早々、SAKIのボディへパンチ。そして、チョキのアピールを見せ、「セーフ」を観客とともにアピール。まさかのチョキパンチをSAKIにお見舞いする。続いて炎華も出てきて、SAKIに対して合体攻撃、クロスラインから「せーの!」エルボー。
 飛び出してきた櫻井にもクロスライン。「せーの!」エルボーがかわされると、SAKIが足を払って櫻井を倒すと、アルモニーが「せーの!」エルボー。ここからアルモニー&先でのCOLOR’Sトレインとなり、SAKIもまじり、「ウイ・アー・野中ーズ」を3人でポージング。
 その後、きずなはSAKIへボディアタックを連発。炎華はストンピングで加勢。COLOR’S側コーナーで倒れこむSAKIは「なんで助けないんだよ」と櫻井に注文。炎華は引き続き、ボディスラム狙い。これはSAKIにこらえられるも、炎華は回転式ティヘラからスペースローリングエルボー。ドロップキックはすかされるも、SAKIから「ごめんね。大丈夫?」と気遣われる。
 SAKIはチョキパンチ。櫻井がタックル。櫻井のボディスラム狙いは炎華が腰を落とす。きずなが出てくると、櫻井はきずな、炎華と次々にボディスラムで投げる。ここから一人ワー!プレス。
 炎華はドロップキック。きずなはドロップキックを5連発決める。さらにワキ固め。
櫻井はなんとかロープに逃れる。その後、カウンターキックでやり返し、SAKIにタッチ。SAKIがコーナーに振るが、きずなが切り返し、回転式の腕ひしぎを決める。

 きずなはフライングネックブリーカーから鎌固め。ここに炎華はドロップキックの合体プレー。炎華がSTF。SAKIがロープを掴むと、櫻井がフォローに飛び出す。炎華は二人めがけてのボディアタック。これをSAKI&櫻井がキャッチ。きずなが助けに入ると、きずなめがけて炎華をホイップ。

 SAKIが炎華をアトミックドロップを決め、コーナーホイップするも、炎華がウルトラコルバタで投げ飛ばす。反対側のコーナーからきずながミサイルキック。炎華もミサイルキック。
 SAKIは櫻井のアシストからビッグブーツ。しかし二発目を狙うと、きずなが飛び込み、ドロップキックでビッグブーツを阻止。そのスキに櫻井が炎華を羽交い絞め。SAKIが突進すると、炎華が足を出してカット。羽交い絞めを振りほどくも、SAKI&櫻井がロープに飛ばし、クロスラインからの「せーの!」エルボー。アルモニーのお株を奪う。
 フォールに行こうとしたSAKIに対して、炎華がエビで丸め込むが櫻井がカット、このスキにSAKIが逆転のエビ固めに丸め込み、3カウントが入った。

 最後はアルモニーも加わり、4人によるCOLOR’Sダンスの共演。キレッキレのダンスを4人で見せた。

■ミチコカワイイWAVE〜愛知県人大集合〜(15分1本勝負)
本間多恵(11分7秒、エビ固め)旧姓・広田エリザベスさくら


 タイトルにもあるように、野中リングアナが「ミチコカワイイ」のコールをたくさん聞きたいという要望から組まれた試合。フォールを取る前に「ミチコカワイイ」と言わなければフォールは認められない。フォール時に 3カウントを数える代わりにレフェリーに「カワイイ」と3回言わせた選手の勝利となる特別ルール。そして、試合開始5分間は名古屋弁で話さなければならない名古屋弁ルールも採用された。また場内実況を泉井弘之介(LADYSRING)、解説には二上会長が務めた。
 まず、開始早々、名古屋弁による舌戦が繰り広げられる。そのなかで二人の出身地についての言い争いがあり、広田は愛知県尾張旭市、本間は愛知県西春日井郡出身と、それぞれが名古屋出身ではないことが判明。お互いの出身地での有名人を言いあうなど、少しでもアドバンテージを取るべく、名古屋弁の応酬が続く。
 そんななか、初めて本間がフォールに行くが「ミチコカワイイ」を何の感情もなく、棒読みでフォール。レフェリーのフォールカウントに合わせて、観客は「カワイイ!カワイイ!」と連呼した。いっぽう、広田のほうは、フォールの体制に入ったものの、「みちこ、か…オェ~~~!!」と嗚咽してしまい、カウントが入らず。
 5分経過後も野中リングアナの発令により、名古屋弁による両者の舌戦は繰り広げられる。野中リングアナの15周年に合わせ、広田がボ・ラギノール15連発を狙ったり、腕を取らせ、逆ロープ渡りをさせたりと、やりたい放題な展開が続く。しかしながら、広田は何度かフォールのチャンスがあったものの、「みちこ、か…か…ゲボゲボゲボ!!」と嗚咽が止まらず、フォールカウントを数えられず。本間は途中から、気持ちを切り替えて、表面だけは「ミチコ、カワイイ!」と言い放ってフォールに持って行く。
 試合終盤、本間の攻撃にフラフラ状態となった広田がFFDで意識もうろうとするなか、「ミチコ、カワイイ…」と言いながら初フォール。2カワイイ(2カウント)でキックアウトした本間が、逆に「ミチコ、カワイイ!」と丸め込む。これを切り返した広田が「ミチコ、でらカワイイー!」と名古屋弁のでら(=とても)を付けて最上級に昇格させてフォール。2カワイイ(2カウント)で、切り返して丸め込んだ本間が「ミチコ、カワイイー!」と絶叫しながら全体重を乗せて3カワイイ(3カウント)を奪取。特殊ルールの中、本間が試合を制したが、一番大変だったのは、最後、エビ固めの応酬時、ずっと「カワイイ!」「カワイイ!」を連呼し続けたファンの皆様かもしれない…。

3、relationship WAVE〜カプリチオな出会い〜(20分1本勝負)
狐伯&勝俣瞬馬(時間切れ引き分け)夏すみれ&渡瀬瑞基


 この4選手は野中リングアナの出会いというものを凝縮させたメンバー構成。以前、DDTで舞台のプロデュースをしたことが縁で、ガンプロのリングアナをすることに至ったことで、DDTから勝俣、ガンプロから渡瀬が参戦。
 夏は練習生、デビュー、そしてwaveを離れる日までずっと見続けてきた間柄。その後も夏の大会では、リングアナにオファーされるなど、関係性は続き、野中リングアナにとって「特別な存在」だという。狐伯には「いつもありがとう、そしてこれからもよろしく」という気持ちを込めて、このメンバーとなった。
 
 狐伯&勝俣は巷に似ているという噂が上がっていたことで、この日タッグ初結成。
 先発は狐伯と夏。興味深いコンタクトで試合開始。観客は両者へのコールで後押し。
狐伯がエルボー。さらに足へのストンピング、夏もビッグブーツを放つと、狐伯は場外転落。
 すると、狐伯&勝俣によるブラックハーツ式の入れ替わり戦術へ。観客は「わからないっ! わからないっ!」コール。ここで勝俣がリングインするも、間違いを見破ったTommyレフェリーが「違うって」と阻止。狐伯は丸め込みを連発していくが、夏がいずれもカウント2で返す。
 ここで勝俣と渡瀬の顔合わせに。まずは渡瀬がタックル。さらにコルバタ、ドロップキック。ここに狐伯が割って入り、勝俣とダブルのドロップキックによる連携を見せる。
さらに狐伯は渡瀬の手を踏んづける。
 ここで怒りの渡瀬が仁王立ちすると、思わず狐伯が場外へエスケープ。さらに追いかけると、狐伯は控室まで逃げ惑う。渡瀬もこれを追いかける。控え室からはなぜか勝俣が飛び出してきて、渡瀬は入れ替わりに気づかずに追い続ける。再び控え室へ。今度は狐伯が逃げまどい、渡瀬が追いかけ続ける。
 リングに一人残っている夏は「私だけ状況がわかりません」とポーズを取り、観客アへ飽きさせない配慮。ここに背後から、狐伯がリングインしてストンピング。渡瀬も割って入り、勝俣へのストンピング。これに背後から足を引っ張る狐伯。狐伯、勝俣を見比べて「あれ?ふたりいた??」と渡瀬は驚き。狐伯&勝俣がコーナートレイン攻撃。勝俣は狐伯を何度にも渡り、コーナーホイップ。コーナーに振られるたびにフラフラになる狐伯。狐伯が勝俣に飛び乗り、カサドーラ式に回転して勝俣がプレスの連携も見せた。
 狐伯が渡瀬へボディスラム狙い。「なんだコイツ疲れているぞ?」と、渡瀬がボディスラム返し。
 夏にタッチ。夏が変形の羽根織固め。再び、渡瀬が出てくるとエルボー。ストンピング。
コーナーに追い詰めて水平チョップ。ここで、夏が狐伯をコーナーに追い詰め、反対側のコーナーで突進の準備。「お待たせしましたー」とブロンコバスター狙いでランニングを開始したところで、勝俣がカット。場内、大ブーイングに包まれる。ならばと、夏が狐伯、渡瀬が勝俣にそれぞれ顔面ウォッシュ。
 渡瀬が狐伯にフライングエルボー。コーナーへ振ると、狐伯はブーメラン式ミサイルキックで返す。勝俣もミサイルキック。狐伯は夏にもドロップキック。さらにコーナーから勝俣が渡瀬にアウフグース。勝俣は続けざまにコーナーへ上がるも、渡瀬も立ち上がり、迎撃に入り、雪崩式ブレンバスター。
 コーナーエルボー、セカンドロープからのフットスタンプ。
 渡瀬がネックロックに取るも、勝俣もブレンバスターで切り返す。
ここからスタンディングのエルボー合戦。勝俣が延髄蹴り。渡瀬も投げっぱなしジャーマン。勝俣がトラースキック。渡瀬がエルボーを打ち込み、両者ダウン。
 狐伯が夏にドロップキック。ドロップキックの連発から低空ドロップキック。
夏はムチを持ち出すも、Tommyレフェリーが阻止。夏は狐伯とTommyレフェリーを同士討ちさせ、レフェリーがダウン。その間にムチを2連発。
 夏がドラゴンスリーパー。ダブルアーム式DDTからシャイニングウイザードも2。渡瀬がドロップキック。垂直落下式ブレンバスター。
 なんとか猛攻を耐えきった狐伯がマヒストラルで丸め込むも2。勝俣のアシストからノーザンライトスープレックスを放ったところでドローとなった。

4,futureWAVE〜野中からの試練!waveの分厚い壁〜(15分1本勝負)
宮崎有妃(12分11秒、体固め)YuuRI
※ベンゾボム


 野中リングアナが試合順を決めるとき、真っ先にこのカードをメインに持ってきたという。YuuRIはこのところ、waveへの参戦機会が増えてきており、現Regina王者である宮崎とシングルで対戦するスペシャルマッチ。
 まずは宮崎が「YuuRI、オマエ、昨日酒飲まなかったか?」と問いかける。YuuRIは「はい、飲んでません。プロテイン飲みました」と回答。
「今日の朝、寝坊しなかったか?」
「しなかったです。6:30に起きました」
「コスチューム忘れて取りに帰ったりしてないか?」
「してないです。全部持ってきました」
と、問いかけは続く。
 全て整えていたYuuRIに「いい子だね」と頭をなでると見せかけて、はずかし固めの体制へ。いきなり成功かと思われたが、YuuRIは開脚を必死に拒否。なんとか回転して技を解くと、あわててエルボーを連打。宮崎はコーナーにYuuRIを追い詰めると、コーナーに座らせて両手で開脚する。精神的ダメージを負ったYuuRIへ、さらにビッグヒップの洗礼。
 ここで再び「カメラの準備をしろー!」とはずかし固めの体制へ。
「いやだ、いやだ、絶対いやだー!」とYuuRIは開脚させまいと、足を閉じて防御。
あきらめた宮崎は「てめえ、開けろー」とコーナーに振るが、ブーメラン式ドロップキックでYuuRIも反撃。そこからスリーパーへ繋げたがロープブレイクに。
 宮崎はDDT。そして逆片エビへ。絞り上げるもYuuRIもロープへ逃れた。
 宮崎は手を踏みつぶし。YuuRIは足を払うと、延髄蹴りを狙う。しかし、宮崎はこれを空振りさせると、「大チャンスー!」と、すかさずはずかし固め。今度はついに成功させ、何度にも渡り開脚させる。
 満足げに技を解いた宮崎は親指を突き立てて、グッジョブのポーズ。
 今度は抱え上げるも、YuuRIはスリーパーへ切り返す。宮崎は後退してコーナーに背中をぶつける。
 続けてコーナーでの攻撃を狙った宮崎だが、YuuRIはこれを逃れると、足を払っての619を決める。YuuRIはトップロープへ。宮崎もコーナーに乗ると、雪崩式ブレンバスターで迎撃。そしてえびす落としも2。YuuRIは首固め。しかし宮崎もラリアット。
 YuuRIはトラースキック。宮崎はラリアット。YuuRIは背後に回り、スリーパー。そのままグラウンド式に決めるもロープブレイク。
 宮崎はYuuRIへインプラント式のDDT。さらにラリアット2連発。2発目にはYuuRIは一回転するほどの衝撃を受けた。ここで一気にヘンゾボムを繰り出し、3カウントを奪った。

 宮崎がマイクを持つ。
「本日はwave、…いや、私が言うこっちゃない。野中、リング上がって」
 野中リングアナがリングイン。
「今日、全部カードを考えてくれてありがとうございます。ちょうどいろいろ(スケジュールなど被らずに)うまくうハマってよかったね。ありがとう、みっちゃん」
 と言いながら、野中リングアナとハグ…とみせかけてのはずかし固め!
 15周年のお祝いとばかりに、何度も開脚させられた。
 
 野中リングアナが締めの挨拶。
「炎華ときずなにこんな姿、見せたくなかったですよ(笑)。でも最高でした、みんな。
本当、楽しかった、みなさんのおかげでいい大会でした。
15年間、めげずにリングアナ続けてよかったなと本当思いました。
何百回、辞めようと思った瞬間もあったんですけど、すべて報われました。
これから20年、30年、声の続く限り、やって行こうと思います。そして改めて、waveでデビューすることができてよかったなと。それからガンジョ、夏さんの大会、COLOR’Sと派生することができました。waveのリングアナもこれからもやっていきますのでよろしくお願いします」

 最後に二上会長から金一封の贈呈。野中リングアナは飛び上がって喜び、「(みんなと)焼肉? …いや、誰にも渡さねえ!」と最後まで持ち前の明るさで場を盛り上げた。