2021.01.01

「NAMI☆1〜Jan〜2021年新春・波始め〜今年こそBIG WAVE 到来宣言!」

◎2021年の書き初め

プロレスリングwaveが2年連続の元旦興行を開催。今大会は野中美智子リングアナウンサーにかわり、大ベテランのパンチ田原リングアナウンサーが担当。これまでも裏方としてwaveの大会をサポートすることはあったが、リングコールは今回がはじめてとなる。

オープニングには、桜花由美、旧姓・広田さくら、宮崎有妃、野崎渚のwave所属選手がお正月らしい音楽のなか登場。新春恒例の書き初めを披露した。

桜花「皆様、新年明けましておめでとうございます。本日はたくさんのご来場、誠にありがとうございます。2021年元日こんなにたくさん、ご来場本当に、元日からありがとうございます。それでは私の…いいですか? 発表して(笑)。バタバタしてて、ハマちゃん出て来そうになっちゃって、バタバタしちゃって。すみません! 私の2021年のひと言の漢字は、ジャン!『祝』です。私、今年20周年イヤーでございます。プロレス界に入ってもう20年です。ビックリするぐらい私、プロレス界にいさせていただいて、プロレスリングwaveという団体を立ち上げて、株式会社ZABUNの社長になって、本当に濃い200年間を過ごしていると思います。なので今年は8月に後楽園ホール大会をやる予定です。私の20周年です。いまコロナ禍で周年とかなくなってしまっているのですが、今年の8月こそは20周年はやりたいし、たくさん人も入れたい。ソーシャルディスタンスではなくなるように願っています。本当に20周年を無事に迎えられるように今年は頑張りたいと思いますのでよろしくお願いします」
野崎「皆様、明けましておめでとうございます。前チャンピオンの野崎渚です。私の今年の漢字はコチラです! 『進(む)』という字ですね。(パンチ田原リングアナが『waveは字の上手な方はいらっしゃらない感じですか?』)ははは! 急いで書いたんですみません。味がある、ということで。桜花さんが20周年イヤーということなんですが、私は15周年を迎える大事な年となっております。2020年最後の大会でレジーナを落としてしまいましたが、進化を止めず、私らしく、2021年も心を熱く燃やして派手に闘いたいと思いますので、皆さんどうか応援よろしくお願いします」
宮崎「皆様、明けましておめでとうございます。私の、と言いますか、今年の漢字は『風』。これはですね、この地球の上にかかっている大きな雲、まあコロナのことですね。これをみなさんともに一丸となって、去年もねずっとソーシャルディスタンスとか、声援出せないとか、みなさんにもフラストレーションのたまる観戦の仕方とかお願いしたところ、みなさん本当に守っていただき、waveの会場とかでコロナとかクラスターが出ていない。こんな素晴らしいことが今年もまだ続くと思います。皆様一丸となって、私たちも含めて一丸となって大きな風をおこせば、コロナ感染しないように頑張れば、それが大きな風となり、地球にかかってる大きな雲は吹っ飛んでいくと思います。なので今年も私たちもそうですが、皆様も声援が出せないとか、そういうこと(協力)をこれからもよろしくお願いします。そういう感じで書きました。ありがとうございます」
広田「私がレジーナ・新チャンピオンの旧姓・広田さくらでございます! 私が書きました漢字は『責』。責任の責とか、責務とかですかね。あのー、自分自身に課すものっていう意味合いとして書きました。これはチャンピオンになったっていうのが大きいですね。これからは私、waveに起こる楽しいこと、いろんなことも(会場に入る観客を見つけ)いらっしゃいませ。ありがとうございます。私が責任をもって皆さんにお届けするという意味も込めています。楽しい試合、熱い試合、責任を持ってお届けしますので、今年1年はですね、皆様本当に健康に気をつけて、精一杯、熱い思いでプロレスを、自信を持ってwaveを応援してください。よろしくお願いします! 今日はカード発表はアレだよね? バトルとレジーナのタイトルマッチのみというカード発表で、よくぞここまでのお客さんが来てくださいました。よくぞありがとうございます。これからバトルが繰り広げられるということで、まあ私は防衛戦ということで、すごいプレッシャーの中で4人が立っているわけでございます。ですので、今日は精一杯、元旦の盛り上がり、よろしくお願いします」
1、新春バトルロワイヤル(時間無制限勝負)
○宮崎有妃(5分42秒、エビ固め)桃野美桜●
※丸め込みの応酬から。勝ち抜け順=青木いつ希、梅咲遥、桜花由美、米山香織、門倉凛、SAKI、高瀬みゆき、野崎渚、林亜佑美、宮崎有妃。勝ち抜けた順で、クジを引き第2試合から第4試合の試合が決定


2021年のwaveはバトルロワイヤルで開幕。参加選手は、桜花由美、宮崎有妃、野崎渚、米山香織<YMZ>、SAKI<Color‘s>、桃野美桜<Marvelous>、門倉凛<Marvelous>、高瀬みゆき<Beginning>、青木いつ希<ショーンキャプチャー>、響<Marvelous>、林亜佑美<Color’s>、梅咲遥<ワールド女子プロレスディアナ>の12選手となった。

第1試合のバトルロイヤルは2カウントルールが採用され、勝ち抜け方式に。勝った順でクジを引いていき、その後のシングル戦、タッグ戦、6人タッグ戦の組み合わせが決定する流れとなった。なお、各試合に特別ルールが採用されることもアナウンスされた。

まずは青木が大きな声で「新年一発目よろしくお願いします」とご挨拶。あまりの声の大きさに他の選手はどん引き状態。気にも留めない青木は「わっしょい、お前からだ!」と林をロープに飛ばす。これを林がスクールボーイへ。キックアウトされるとカサドーラを狙う。青木が押し潰してカバーするも、梅咲がカットする。
ここで青木は「宮崎のアニキ、コイツやっちまってくださいよ」と梅咲を差し出す。宮崎は「いいの?」と恥ずかし固めの体勢。しかし、青木が宮崎を裏切り、背後からスクールボーイでクルリとまるめて、青木が勝ち抜けした。

続いて桜花&桃野(ボスマミ)と高瀬&梅咲(ルミナス)対決となり、ルミナスがダブルのドロップキック。桜花のラリアットをかいくぐった高瀬がドロップキックを放つも、梅咲がその高瀬を丸めて2カウント。
桜花vs米山となり、米山がモンゴリアンチョップを連発。ガードした桜花がビッグブーツを連発してき、フォールを奪った。

すぐさま門倉が米山に突進するも、かわした米山が後方回転エビ固めで2カウント抜け。しかし門倉も体勢を入れ替えフォールし、勝ち抜けた。

響が孤立する展開となる。高瀬&林でダブルのドロップキックをお見舞いする。続いて宮崎がトレイン攻撃の餌食に。だが野崎が走ろうとしたところをSAKIが首固めで裏切り勝利。あ然とする野崎。
続いて宮崎は高瀬&林にダブルハンドのラリアットを放つと、桃野に恥ずかし固めを敢行。その体勢の宮崎を高瀬→野崎がカバーし、勝ち抜けていく。
リング上は宮崎、桃野、響、林の4選手。宮崎は桃野に足4の字固め。そこに響が宮崎、林が桃野を同時にカバーし、勝ち抜け。

残ったのは宮崎と桃野。桃野のジャックナイフから丸め込みの応酬に。最終的に宮崎が押さえ込み、3カウントが入った。
これにより全選手のくじ引きが終了。その結果、第2試合の新春・悪徳waveは、宮崎有妃vs梅咲遥。第3試合の新春・シリアスwaveは、野崎渚&SAKIvs響&青木いつ希。
◎紅夜叉さんと旧姓・広田さくらのトークショー
第1試合終了後、今大会の特別ゲストとして紅夜叉さんが登場。自身のオリジナル技である夜叉ロック、夜叉スープレックスを伝授した、旧姓・広田さくらと対談をおこなった。

これまで接点のなかった広田と紅夜叉さん。夜叉ロックをどうしても使いたい広田が静岡まで通いつめ、夜叉さんを口説き落とした経緯を明らかに。

トークが盛り上がると、今回は特別に広田のセコンドに付くことを約束した夜叉さん。「今日スペシャルゲストとして、トークショーなんて聞いてなかったけど(苦笑)。まあ私、本当、感謝してるんです、広田に。夜叉ロックもなかったものがまた蘇って、みなさんに知られるようになったので、広田に頑張ってもらいたいと思います。頑張れ、広田!」と激励。
広田も「ありがとうございます! 本当になんの縁もない私からお願いさせていただいて、一番の代名詞である技を2つも私が受け継いだということを、本当に私も再認識して、今日の神童ミコト戦、頑張りたいと思いますので。それにベルトを取るのが一番なんですけど、もし落としたとしても今日来て良かった。これからもこの1年waveを応援しようという闘いを必ず、みなさんの前で、紅さんの前で、はじめてリングアナやってくれたパンチさんの前で、繰り広げる自信ありますので、みなさん最後まで応援よろしくお願いします」と返した。

なお現在、夜叉さんは静岡県の三島駅から徒歩2分の「なごみ亭」を営んでおり、自慢の唐揚げは、からあげグランプリ最高金賞を2度受賞している有名店。またオリジナルグッズ「Barik(バリック)」も好評発売中とのこと。
2、新春・悪徳wave(15分1本勝負)
○梅咲遥(10分4秒、ラ・マヒストラル)宮崎有妃●


第2試合は、宮崎有妃vs梅咲遥の悪徳ルールマッチ。悪徳ルールとは、試合前におこなわれるジャンケンで勝った選手に、レフェリーが有利なレフェリングをおこなうというもの。まずはジャンケンがおこなわれ、勝ったのは梅咲。
早速、Tommyレフェリーは宮崎に厳しい態度で試合前のチェックをおこなう。試合はロックアップの押し合いでスタート。宮崎が押し込みロープ際で膠着状態となると、Tommyレフェリーは宮崎にロープブレイクの高速カウントを数えていく。

慌てて離れる宮崎だったが、続くヘアー攻撃、噛みつき攻撃も反則カウントが高速で数えられる。「何もやれない…」と嘆く宮崎を尻目に、梅咲は堂々とヘアー反則。だが、Tommyレフェリーは靴紐を結んで見て見ぬフリ。
今度は梅咲がリバース・インディアンデスロックの体勢。するとTommyレフェリーは執拗に宮崎にギブアップを迫る。宮崎が耐えきると、弓矢固めを狙う梅咲。だが、完全な形では決まらず。

逆に宮崎がボディースラムで攻守を入れ替え、キャメルクラッチへ。噛みつきで脱出した梅咲だったが、Tommyレフェリーは「遥はそんなことしない」と疑う様子はなし。宮崎がカバーするも、スローカウントでツー。
梅咲が串刺しドロップキック、フォアアームでやり返す。続くボディーアタックは宮崎がキャッチ。豪快に叩き付けたあと、宮崎がギロチンドロップを投下。だが、これは梅咲もかわしていく。そして逆片エビ固めへ。

梅咲はセカンドからのドロップキックを放つと高速カウント2。ならばとコーナーに登るも宮崎がファイアーマンキャリーで担ぐ。着地した梅咲がバックを取るも、宮崎がロープブレイク。すぐに梅咲はロープに飛ばすが、宮崎がラリアットで迎撃する。そして恥ずかし固めを狙うが、梅咲は「まだ19歳です」と抵抗。宮崎は「元旦だから」と粘るも、Tommyレフェリーの厳格なレフェリングの前に断念。ならばと宮崎はえびす落としを敢行。スローカウント2。
宮崎のムーンサルト、梅咲のミサイルキックはどちらも自爆。ここで宮崎はテキサスクローバーホールドの体勢。だが、これはTommyレフェリーが宮崎を突き飛ばし、妨害。「Tommyさん、悪徳すぎやしませんか?」と嘆く宮崎に、梅咲が丸め込みを連発していく。高速カウントが乱発するなか、最終的に梅咲がラ・マヒストラルで丸めて勝利を収めた。

試合後、宮崎は「おい、勝負はどうだっていいんだよ。お前、本当に19? まだ? 二十歳とかじゃなかったっけ? いつ二十歳になるの?」と詰め寄る。梅咲が怯えながら「2月7日です」と答えると、宮崎は「2月7日ねー、わかった。わかりました。覚えておきましょう。2月7日に二十歳になる。オーケー×3、ありがとうございます」と引き揚げていった。
3、新春・シリアスwave(20分1本勝負)
○野崎渚&SAKI(14分14秒、片エビ固め)響●&青木いつ希
※ノアールランサー・ハイ


第3試合でおこなわれたのはシリアスwave。野崎渚&SAKI組はpeerlessティーンズロードとして、2020年のDUAL SHOCK WAVEにエントリーしたチーム。決勝には残れなかったももの、それぞれの実力は周知の事実だ。一方、即席&越境タッグとなってしまった響&青木いつ希組も、若さと勢いでは負けてはいない。チーム力のティーンズロードか勢いの響&青木か。興味深いカードが実現した。
シリアスを意識した青木がいつになく真摯な態度で握手を求める。そして「行きます、私が行きます」と声のトーンを落とした丁寧な口調。シリアスムードを醸し出す。

試合は野崎が対峙してゴングとなる。野崎が押し込みクリーンブレイク。その野崎がSAKIとのコンビで連係のスライディングキック。青木をキャメルクラッチで捕獲する。顔面バーン!でカウント2。

続くSAKIはサーフボードストレッチで青木を捕獲。耐えられるとドラゴンスリーパーへ。続いてショルダータックルの打ち合いとなる。青木が制して響と交代。
響はSAKIに小刻みにスピア。串刺し式で狙うが、これは野崎が妨害する。だが、響もSAKI&野崎にスピアを放つと、ジャンピング・ヘッドバットをお見舞い。スピアでカウント2。SAKIもニーリフトで攻守を入れ替えサソリ固めへ。

5分経過。SAKIがブレーンバスターを放つと、響も同じ技で応戦。青木がショルダータックルにつなげる。そして串刺しバックエルボー、フェースクラッシャー、ボディープレスでカウント2。だが、セカンドロープからのフットスタンプはSAKIも回避する。

逆にSAKIがトップロープに青木をセットすると、ニーリフト、リバース・スプラッシュでカウント2。追撃にかかるも、青木がバックフリップに切り返す。今度は青木が走ったが、SAKIがカウンターのボディースラムを放って野崎にタッチ。
野崎は串刺しビッグブーツ、ハーフハッチでカウント2。ケンカキックでロープ際に押し込み、おしゃれキック。リングに戻ってビッグブーツを放つ。続くミサイルキックはカウント2止まり。なおも走る野崎に、青木がカウンターのラリアット。野崎もショートレンジのビッグブーツでやり返すと、ロープに走る。これを青木が大外刈りに切り返していく。
響が出ていき、野崎にスピアで飛び込む。キックアウトされると、響のバックフリップ→青木がダイビング・フットスタンプ→響のセントーンと波状攻撃。

10分経過。野崎はカウンターのビッグブーツを響に放って流れを変えると、ランニング・ダブルニーアタックでカウント2。「終わりだ!」とロープに走る。だが、青木が足止め。ならばと野崎&SAKIは連係を狙うが、野崎のビッグブーツはSAKIに誤爆してしまう。
すかさず響が野崎にミサイル発射。さらにラリアットを連発していき、カミカゼからダイビング・セントーンの体勢。これをSAKIがカットすると、野崎が雪崩式ブレーンバスターにつなげる。ビールマンキックから走る野崎。響がラリアットで迎撃する。すぐに野崎はスリーパーの体勢。ドルミルを狙うが、青木のカットが間に合う。ここで、野崎はSAKIとのダブルのザキゴエ。続けざまにキックで挟み撃ちにしたあと、ノアールランサー・ハイ! 返されると、ダメ押しのノアールランサー・ハイでトドメを刺した。
4、新春・スローモーションwave(30分1本勝負)
桜花由美&○米山香織&門倉凛(19分20秒、後方回転エビ固め)桃野美桜&高瀬みゆき&林亜佑美●


第4試合はwave名物のスローモーションルール。クジの結果、桜花由美&米山香織&門倉凛組と、桃野美桜&高瀬みゆき&林亜佑美組が激突した。WAVE認定タッグ王者のBOSS to Mammyは対角コーナーに立っての試合となった。ちなみにスローモーションルールとは、試合開始から8分が経つと、1分間のスローモーションタイムが発動され、選手はスローで動かないといけない特別ルールだ。

米山vs桃野が高速の読み合いで試合をスタートさせる。桃野のドロップキックを米山がかわしてセントーン。桃野もかわして丸め込む。米山を孤立させ、トレイン攻撃。続く林が「新春わっしょい!」で首投げを連発。
米山は鼻パッチンでやり返し、門倉と交代。門倉はドロップキックを放っていき、ボディースラムでカウント2。キャメルクラッチで捕獲する。すると米山&桜花が両サイドに陣取り変顔ポーズ。だが、門倉はかたくなに拒否。DDTを放って桜花と交代する。

桜花はロープ際で林を踏みつける。すると、桃野が猛抗議。躊躇しつつもダブルニードロップを投下する桜花。そして逆エビ固めへ。ロープを目指す林を桜花が引き戻すと、桃野が「マミー、放して!」と懇願。素直に応じる桜花。しかし、高瀬が「放せよ!」と叫ぶと、桜花は暴言で返していく。そのあまりの対応の違いに観客からは笑いが漏れる。
5分経過。ボディースラムを狙う桜花だったが、堪えた林がボディープレスに切り返し、桃野と交代へ。桜花は桃野にビッグブーツで飛び込むも、寸前でやはり蹴れないと諦める。ボスとの対戦を避けて米山とタッチする。

ここで米山は桜花とのダブルを要求。しかし、桜花が裏切り、桃野との合体ドロップキックを米山に見舞う。ならばと米山はグルグルパンチ、キックをお見舞い。門倉がDDTにつなげる。桃野もアームホイップでやり返し、腕固めへ。アシストにまわる高瀬が米山を、林が桜花を捕獲する。ここでスローモーション発動まであと1分のコール。
桃野は門倉にドロップキック。門倉が小刻みエルボーからウラカンラナを狙うが、ここでスローモーションタイムに突入する。ウラカンラナをスローで切り返す桃野。低速でカウント2が数えられる。ゆっくりと門倉がラリアットで飛び込むが、桃野がブリッジでかわす。そして、旋回式ヘッドシザースホイップの体勢。だが、ここでスローモーションタイムは終了。

桃野は通常のヘッドシザースに切り替える。続いてエルボー合戦。そこから桃野が走るも、門倉がトラースキック、桃野もドロップキックでやり返す。

高瀬が出ていきマシンガンチョップ。セカンドからのドロップキック、串刺しエルボー、ジャンピング・エルボーアタックでカウント2。
一方、門倉は逆さ押さえ込みの体勢からドロップキック、キャノンボールで突っ込む。ミサイルキックでカウント2。ダブルリストアームサルトもカウント2止まり。

今度は桜花が出ていき、高瀬に串刺しビッグブーツ。ダイビング・サンマドロップを放つが、返されるとクロスフェースで捕獲する。

劣勢の高瀬だったがカウンターのパワースラムで流れを変えると、エルボーとチョップの連発で攻勢を敷き、ラリアット→ブレーンバスターでカウント2。
続く林は桜花にドロップキックを3連発。桜花の串刺しバックエルボーをエプロンにくぐり抜けてかわして、クロスボディーでカウント2。だが、水車落としは桜花が踏ん張り、ヒザ蹴りを連発する。

走る桜花だったが、林がカウンターの水車落とし。そして、鎌固めにつなげる。米山がカットしたところで15分経過。
桜花はビッグブーツを叩き込むと、門倉のスタナーを挟んでビッグブーツでカウント2。カカト落としも放つが、これは桃野がカットする。ここで米山がセントーンを投下し、「わっしょい!」を連呼しながらコーナーへ。高瀬が足止めして、デッドリードライブ。桃野のダイビング・ボディーアタック、高瀬のラリアットが決まる。林のダブルリストアームサルトはカウント2。林はもう一発の体勢に入るが、両軍入り乱れてのブレーンバスターの掛け合いとなる。

これを桜花組が制すと、門倉のトラースキックから桜花&米山でダブルのビッグブーツ。しかし米山のブートはリーチが足りず…。ここから混戦となり、桜花のビッグブーツは米山に誤爆。すかさず林が丸め込みで攻め込む。ジャックナイフもカウント2止まり。
ピンチを脱した米山がバックを取ると、堪える林。見かねた桜花が米山の背中にビッグブーツ。ロープ際まで吹っ飛ばされる米山と林だったが、この勢いを利用した米山が後方回転エビ固めにつなげて技アリ勝利!
5、Regina di WAVE〜wave認定シングル選手権試合(30分1本勝負)
<王者>○旧姓・広田さくら(18分53秒、夜叉ロック)神童ミコト●<挑戦者>
※第16代王者が初防衛に成功


2020年の最終興行となった12・27後楽園で野崎渚を破り、新レジーナとなった旧姓・広田さくら。その広田に真っ先に名乗りを上げたのが、“広田キラー”とも言えるマーベアスの神童ミコトだった。神童は昨年7・23新木場でおこなわれたwavevsMarvelousの団体対抗戦の際に、スワンダイブ式ジャックナイフエビ固めで広田から5連続フォールを奪っている。広田が苦手とするタイプのレスラーであることは間違いなく、新レジーナは初防衛戦で思わぬ強敵を迎えることとなってしまった。
広田は新テーマ曲と思いきや、途中からいつものテーマ曲。今大会は特攻服に身を包んだ紅夜叉さんを帯同しての入場となった。試合前、広田は「終わってからだとベルトないかもしれないんで」と紅さんと記念撮影。

ゴングとなると、観客は手拍子。ロックアップの押し合いとなり、神童が押し込む。必死にロープを主張する広田。認められ再びロックアップ。神童がフロントネックロックで捕獲する。
広田がブレイクすると、神童は小刻みエルボー。ボディースラムを狙うが、切り返した広田がワキ固めで捕獲する。神童がロープ。ならばと広田は腕へのニードロップ。そして腕固めへ。かろうじて神童がブレイクする。広田は滞空時間のボディースラムを狙うが、切り返す神童。串刺しドロップキックを連発していく。そして串刺し低空ドロップキックでカウント2。

神童はボディースラムを狙うが、広田が堪える。5分経過。神童が首固めに切り返すと、広田も首固めでやり返す。そして広田は小刻みエルボーからボディースラム。ここから高田純次のムーブに入る。
迎撃されると、「クソー、チャンピオンになっても見破られてしまったぁーーー、ということは、お前がかわりにやるってことかーーーー!」と仰向けになるが、神童は「やらない」と拒否。広田は「レジーナをやる前に私は旧姓・広田さくらなんだよ」と神童に迫る。神童は「やったことがない」としぶるも、広田が「やったことないの? じゃあ今日やってもらいましょう」と再び仰向けに。しぶしぶ応じた神童が高田純次を決めてカウント2。

広田は神童の串刺し攻撃をフロントキックで迎撃し、スイングDDT。拝み渡りを狙うが、神童が逆さ押さえ込みを連発する。キックアウトされると、今度はスクールボーイでカウント2。
10分経過。神童のドロップキック、広田のフェースクラッシャーが交互に決まる。ボディースラムで叩き付けたあと、コーナーに向かい拝み渡りへ。そしてアームホイップを決める。追い打ちのシャイニング・ウィザードはカウント2となったが、ここで夜叉ロックを狙う広田。神童が警戒しており、なんとか回避する。ボ・ラギノールも神童が回避し、丸め込む。カウント2。

広田もカニばさみから619の体勢。かわした神童がスワンダイブ式ジャックナイフを狙うが、広田も読んでいた。もう一度、ロープに飛び乗る神童に、広田がへな拳で阻止。へなーらサンセットの体勢となるが、神童が回転エビ固めに切り返す。返されると首固めを連発する神童。あわやのシーンを連発する神童に会場が沸く。すぐにロープに走る神童だったが、広田がふらふらドーンでカウント2。
エルボー合戦からここで広田が夜叉スープレックスを繰り出す。返されると、夜叉ロックの体勢。これも回避する神童にへな拳が決まる。ここで広田は改めて夜叉ロックを狙うが、これも神童が切り返しのエビ固めへ。

広田はシャイニング・ウィザードからミサイル発射。もう一度コーナーに登るが、神童がデッドリードライブ。ドロップキックで追い打ちをかける。走る神童に広田がカウンターのへなーらサンセットを敢行。返されると、今度こそはの夜叉ロック。神童はニアロープに助けられる。
仕留めにかかる広田はへなーらサンセットを放つが、気合で立ち上がる神童。そして一発逆転のスワンダイブ式ジャックナイフエビ固めへ。なんとかキックアウトした広田が夜叉スープレックス2連発。これも返されたが、改めて広田が夜叉ロックを極める。今度こそは完璧に決まり、ギブアップを奪った。
◎エンディング
試合後、広田はセコンドに付いてくれた紅さんと握手。勝ち名乗りを受けると、2人のお子さんが祝福に向かう。子供たちの無邪気な笑顔を見て、お母さんの顔に戻る広田。

広田「ありがとうございました! 防衛戦で初防衛させてもらいました。あの後楽園の時もいま思えば、思ったんですけど、そして今日も、本当にこれはたぶんリングに上がってる人しかわからないと思うんですけど、途中からすごく対戦相手に感謝するんですよね。こっちがやっててもメチャクチャやられてたとしても、ベルトを懸けて、リングで、メインを任されるというのは、チャンピオンもそうだし、挑戦者もそうだし、すごいプレッシャーの中でやるんですよ。で、お客さんの拍手とかセコンドの声とか、なんか一つひとつのことが感謝となって、不思議な感情なんですけど、そんないろんなことへの感謝のなか試合ができて、今日防衛できたこと、こうやってリングに立ててること、本当に感謝します。ありがとうございました! 紅さんの前で、夜叉スープレックスと夜叉ロックとを決めさせていただいて、『これからはお前のもんに』って言ってくれたけど、私は正直まだまだと思います。まだまだと思いますよね、みなさんも! ってことは、私にはもっと伸びしろがあるってことです! チャンピオンとしてどんどん成長していく姿を、毎回waveに来て応援してください。今日はありがとうございました」
桜花「もういいですかね? 本日、ご来場誠にありがとうございます。本日、元日ということで、みなさんに振る舞い酒を配らせていただきたいと思います。みなさん一つずつ取っていってください」

選手、スタッフがお酒を配っている間、桜花と広田が場をつなぐ。

桜花「レジーナになってどうですか?」

広田「レジーナになって、はじめて防衛戦やって、ちょっと一番苦手だなと思ってた選手に勝ったことでちょっと調子に乗ってます。ありがとうございます。それで、じゃあちょっといいですか? あのー、防衛したけど、私、何回フォール乗られてました?」

桜花「えーっと、私が見る限りでは30回くらいは(苦笑)。頑張ってました」

広田「もう防衛戦の相手にあの子はいいんで。それで後楽園の時にチラッと言った、サクパラダイスなるものを私、言ったんですけど、まだ『これだ!』っていうものはないんですけど(苦笑)、なんか私ならではの楽園的なものをwaveで展開したいんだけど、何がいいかな?」

桜花「子供がいっぱいな」

広田「子供がいっぱいなやつ? じゃあ、佐藤綾子さんとかの子供とか? でもさ、やっぱりオレンジリボンでやって、子供がいる雰囲気と子供がいない雰囲気、結構、違いますよね? ほんわりするし、なんか別にこの子たちがプロレスラーになるとかっていうの関係なく、なんかこう人類の未来を感じます」

桜花「しかもウチ、オレンジリボンやってますから」

広田「ね。もっと広がってほしいと思います。だからね、サクパラダイスっていうのはこんな感じですよっていうのはブチ上げられないんですけど、私としての今年の野望は、桜花さん20周年でしょ? 私、25周年なんですよ。25周年をチャンピオンベルトを持って迎えられるっていうのは、本当にすごいことだと思いますので、私もだから25周年記念興行をやりたいんですよ」

桜花「それ、いつですか?」

広田「8月予定でしょ? で、後楽園でしょ? 私、別に後楽園とかはいいんで、新木場さんでやらせていただきたいなと思って、欲かかず」

二上美紀子会長が「すみません、そういうのミーティングでやってもらっていいですか?」と音響ブースからマイク。すると進行を軌道修正した桜花社長が「カンパイの前に、今日、重大発表があります」とアナウンスする。花道から現れたのはwaveのジャージーを着たTommyレフェリーだった。
Tommyレフェリー「今日はご来場ありがとうございます。私もですね、もう54歳。14歳〜15歳で全女の門を叩き、そのあとジャパン女子という団体にフリーで上がりました。古巣に戻るということで、wave、Marvelousのダブル所属になりました」

歓声をあげる、Marvelousの若手たち。

桜花「TommyさんがwaveとMarvelousのダブル所属となります!」

Tommyレフェリー「(アクトレスガールズ勢を配慮して)大丈夫です。いままで通り、ACTさんも全部やりますんで、大丈夫です。心配しないでください」

桜花「Tommyレフェリーさんが今日からwaveの社員となります」

Tommyレフェリー「よろしくお願いします」

桜花「Tommyさんがwaveに入社したということでwaveでは奮発しました。バスを買いました! ふふふふ。地方に行く時、Tommyさんが運転してくださるので(と車のカギをかたどったモチーフを贈呈)」
Tommyレフェリー「やったーーー!」

桜花「使ってください。よろしくお願いします」

Tommyレフェリー「よろしくお願いします!」

桜花「ほかの選手もリング上に上がってください。カンパイしましょう。みんな、みんな上がって! 広田さん、カンパイの音頭お願いします。今日はめでたいことがいっぱいなので」

広田「みなさんのたくさんの中で発表できて本当にうれしいです。選手、上がりましたか? それではお客様も(お酒)ありますかー? それでは、ここに上がってくれてる選手の飛躍と、みなさんの健康を祈って、今年1年よろしくお願いします! カンパーーーイ!!」

桜花「(エンディングの音楽が流れる)まだ、まだ! まだ、だよ!! 入団したTommyさんにやっていただきたいと思います。最初のお仕事です(笑)」

Tommyレフェリー「はい。みなさん、本年もよろしくお願いします! 行きます、これがー、waveだーーー!」
◎広田バックステージ
——無事に防衛。
広田「もう何度ダメかと思ったことか…、本当に。よかったです。防衛戦一発目にあそこまで追い込まれる相手にします、普通。信じられない。けど防衛してよかったです。団体から突きつけられた試練だと私は思ってるので、防衛できてよかったです」

——スワンダイブの丸め込みの対策は?
広田「あれはね、やられそうになったらひたすら逃げる。それだけを考えてやりました」

——そして最後は夜叉ロック。
広田「はい。もう執念のね、本当になんか『広田に任せた』って紅さんが言ってくれたんですけど、やっぱりね、あそこはまだ紅さんが全盛のときに使ってたところまでまだ私は夜叉ロックも夜叉スープレックスもいけてないと思ってるので、そこまで価値を上げて、さらに越えていくというのが私の、今年の本当にやらなければいけない、達成しなければいけない目標だと思います」

——入場テーマって少し変わった?

広田「ふふ! 気付きました、やっぱりー。変えました、変えたって言うか、足しました。去年の暮れくらいから、『グレーテスト・ショーマン』にメチャメチャ、ハマりまして、その中のオープニングの曲なんですけど、メチャクチャカッコよくて、私はね…(子供が問いかけに優しく答える広田)その『グレーテスト・ショーマン』にメチャクチャハマって、野崎とのタイトルマッチが決まってからそれをずっと聞いてテンション上げていって、めぐもその映画が気に入ったので、めぐと一緒にその曲を『あ〜あああ、あぁ』ってテンション上げてたっていうのがあって、チャンピオンなので、ドンドンってやつやったんだよね? 大きいテレビでやったんだよね。だからそれをチャンピオンになってからにはそれで入場しようと思って、だけどやっぱりね、それで入場すると格好良すぎちゃうので、いままでのこんにちは赤ちゃんを忘れずに付け加えたらああいう形になりました」

——次の防衛戦誰か。
広田「私からはいっさい逆指名はいたしません。誰からの挑戦も受けません! 元旦にやったからいいじゃない、しばらく」

——夜叉ロック、夜叉スープレックスを何回か出したけど、一発で決められなかったところが自分のモノにできてないところになる?

広田「モノにしてない。そうです。だからいつもエスケープされたりだとか、返されたり」

——それが自分のものにできると?

広田「そうですね。もうこれが出れば、これかかっちゃえば、食らっちゃえばもう終わりってところまで高めていくのが今年の課題ですね」

——お子さんたちが喜んでリングに上がってるのを見ると負けられないですね。
広田「いや、本当に。そうですよ。(子供に向かって)頑張るからね。見てた、今日。頑張ってた、ママ? ありがとう。チャンピオンなんだよ、チャンピオン。強いの、ストロングなの。ママすごい? 防衛するからね!」
◎Tommyレフェリーバックステージ
——ずっとフリーとしてやってきたが、ダブル所属を決められたのはどういった経緯で?
Tommyレフェリー「まず今年で55歳になるってしまうってことと、全女に15で入って、そのあとすぐやめてジャパン女子でフリーのレフェリーとして上がって、古巣に戻ろうかなって。それでダブル所属にしました。いまジャパン女子だと自分、OZさんはやってないですけど、wave(ジャパン女子系)とマーベラス(全女系)を両方やっているので、だったらちょっと相談してみようかなと思って」

——バスのプレゼントというサプライズもありましたが。

Tommyレフェリー「嬉しいです。マイクロバスを買ってくれたのがすごい嬉しいです」

——社員になったことで、違った観点からアドバイスも出て来たりする?

Tommyレフェリー「そうですね。でも、いまのところは、まだないです。入社したてということで」

——ダブル所属の意気込みをお願いします!

Tommyレフェリー「みなさんに迷惑かけないように頑張っていきたいと思います。年寄りだってみせないように(笑)」