2021.02.14

「Valentine wave 2021」

◎入場式
大会に先立ち、選手入場式がおこなわれ、桜花由美社長が代表の挨拶をおこなった。

桜花「みなさん、こんにちは! ありがとうございます。本日はご来場、誠にありがとうございます。そして、カンフェティで動画配信をご覧の皆さんありがとうございます。本日、昨日の地震のため仙女のチサコ選手と金子選手が交通機関がすべてストップしてしまったため本日は欠場となってしまったことを深くお詫び申し上げます。本当に楽しみにしていた皆様、申し訳ございません。えー、必ずクソ女night☆対チサコ&金子の試合はどこかでやりたいと思っておりますので、みなさんぜひ楽しみにしていてください。えー、本日はバレンタインということで、みなさんがハッピーな気持ちで帰れるよう、全選手一同、一生懸命頑張りますので、拍手と足踏みのほうよろしくお願い致します」
1、Future wave(20分1本勝負)
桃野美桜&○Maria(12分19秒、ベイブスネイク)星いぶき&Yappy●

2月13日に5周年を迎えたばかりの桃野美桜がMariaを従えwaveに参戦。アイスリボンの星いぶき、P’sPartyのYappyとタッグで激突した。

マーベラス勢が奇襲を仕掛けてゴングを迎える。早速いぶきを捕まえ、連係に成功する。「アイ・ラブ・マーベラス」をファンに向けて叫ぶも、Yappyが妨害。そして今度はアイスリボンの連係が決まる。
Yappyは自慢のヒップで桃野に「重いですか?」とプレッシャー。耐えた桃野もドロップキックでやり返してパラダイスロックへ。続いてMariaが出ていき、Yappyの腕を蹴り上げると、桃野がドロップキックにつなげる。Yappyもフロント・ネックロックで桃野をブンブンまわして、いぶきと交代。
いぶきは桃野にクロスボディーを連発。そして桃野をロープ際に座らせ、Yappyがヒップドロップ、いぶきが低空ボディーアタックを放つ。そして逆水平チョップをお見舞いする。

劣勢の桃野だったが串刺し攻撃を回避し、流れを変えるとカサドーラからのフットスタンプ。セカンドからのドロップキックでカウント2。
続くMariaがハイキックをいぶきに連発していく。正面ドロップキックでカウント2。いぶきの逆水平チョップ、Mariaのフロントキックがラリーとなる。そこからいぶきが河津掛け。そのままグラウンド卍固めへ。耐えられるとネックブリーカードロップを放ってYappyと交代となる。

YappyはMariaにヒップドロップを連発していき軽々担ぐも、Mariaも着地。すぐにYappyがロープに走る。これを桃野がドロップキックで妨害し、Mariaがクリストへ。耐えられるとトラースキック。キックアウトされるとワキ固めで捕獲する。これはいぶきがカット。
ここでアイスリボン勢はダブルを狙うが、かわしたMariaが逆に桃野とのドロップキックを成功させる。すぐにMariaがコーナーへ。ファンタスティックフリップを狙うが、自滅。逆にいぶきがダイビング・ボディーアタック。Yappyがストレッチボムにつなげる。桃野のカットが間に合い、カウント2。

ロープに走るMariaだったが、Yappyがボディーアタック。仕留めにかかるYappyだったが、Mariaがカウンターのベイブスネイクでギブアップを奪った。
2、サクパラダイス・スカウトキャラバン~コミカルwave(15分1本勝負)
○SAKI(13分47秒、片エビ固め)旧姓・広田レジーナさくら●
※ランニング・ブレーンバスター


昨年末にレジーナとなった旧姓・広田レジーナさくら。そのときに明かしたプランが「サクパラダイス」の存在だった。正直なところは名前先行の企画だったが、今大会よりいよいよ始動することに。まずはスカウトキャラバンと題してSAKIとのシングルマッチが組まれた。
にらみ合ったあと、慎重に力比べとなる。広田が力で勝り、ブリッジ状態のSAKIの上に乗るが、SAKIが腹筋ではね除ける。広田のスクールボーイはカウント2。クロスボディーを狙うが、SAKIがフロントキックで迎撃する。

攻勢に転じたSAKIがヒザ蹴り。広田をトップロープにセットしニーリフト、リバーススプラッシュを投下する。
広田もネックブリーカードロップからフェースクラッシャーへ。「寝とけ、わかるだろ?」とSAKIを仰向けにさせると、高田純次を敢行する。SAKIが回避すると、広田は「しょうがない。お前が代わりにやるってことか!」と仰向けになる。SAKIは無視してバックドロップ。これを着地した広田がボ・ラギノール。走り込んでの一発をお見舞いすると、SAKIが場外へ。広田はトペ・スイシーダを狙うが、これは失敗。
コーナーに登るSAKIに、広田は「え、こっちも?」と拝み渡りにトライさせる。ゆっくりとSAKIが拝み渡りを敢行。ロープ上のジャンプを試みるが転落すると、すぐに広田がボ・ラギノール。SAKIのアトミックドロップ、広田のボ・ラギノールがラリーとなる。そしてダブルダウン。
SAKIは再びアトミックドロップからフロントハイキック。ブレーンバスターを放ってカンパーナにつなげる。耐えられるとSAKIがパワーボムのような体勢。これを広田がサクラライトに切り返す。そして夜叉スープレックス、へなーらサンセットを敢行。キックアウトされると夜叉ロックで捕獲する。

続いてロープに走る広田。SAKIがカウンターのファルコンアローから押さえ込むが、広田が切り返していく。カウント2。
SAKIのビッグブーツ、広田のバックブローの打ち合いとなる。一進一退の攻防となると、広田が「ちょっと待て。プロレスでは勝敗がつかない。こうなったらホーミーで勝負だ!(まずはホーミーの説明をしたあと)でも、実際どういうことかわからないと思うので、今日たまたま海外からホーミーの第一人者が来てくれています。AEW・志田光! ホーミーやりにいこい。お前しかいないだろ。あのホーミーをやってくれよ」と来場していた志田光を強引にリングに上げる。
志田は躊躇しながらも、ホーミーらしきものを微妙な感じで披露。だが、広田は「お前何しにきたんじゃ。何しとんじゃ!」とバッサリ切り捨てる。辱めを受けた志田がストンピング。SAKIとのダブルを狙うが、広田がチョークスラムの体勢。
回避したSAKI&志田がダブルのブレーンバスターを敢行。すかさずSAKIがアトミックドロップ、フロントハイキックにつなげ、最後はブレーンバスターでトドメを刺した。
試合後のマイク。

広田「SAKI、さすがだったよ。そして志田! 久しぶりにお前のホーミー聞けてよかったー。いつでも、いつでもやりに来てくれよ。海外でもホーミー頑張って使ってくれ。SAKI、この試合のタイトル『サクパラダイス・プレゼンツ・スカウトキャラバン』。私、いまサクパラダイスという楽園を展開するために、サクパラダイス軍をスカウトしています。見事、合格! 満場一致ですよね!? お前こそ、サクパラダイス軍に必要だ! なっ!×2」

SAKI「えっ? すみません。急に呼ばれて、ちょっと流れとか掴めてないんですけど、サクパラダイス? ちょっと、よくわかってないんですけど…私は今日チャンピオンに勝ったという結果を残せただけで満足で、もう今日は…」

広田は気にせずTシャツをセコンドに持って来させる。
広田「試しに着てごらんよ、コレ。試しに。『かわいるど』って書いてるから。誰が見てもアナタのでしょ? ちょっと薄めのTシャツだけど。(SAKIが着ると)いいじゃん、今日から2人でサクパラダイス盛りあげていきますので、今日はありがとうございました!」
◎バックステージ
広田「(「おめでとうございます」と声をかけられると)ありがとうございます」

SAKI「私ですよね? おめでとうございますって」

広田「いや、私。じゃあ、お互いにめでたかったということで、この試合は。ありがとうございます。はじめてのサクパラダイス軍入団者ということで、本当にSAKIがほしかったので、今日こういう形でスカウトキャラバンやって、SAKIがこのTシャツを着てくれたということで、2人でやっていこうと思います」

SAKI「私、今日、ただただレジーナの広田さんとシングルを組ませていただいて、それだけで。絶対にチャンピオンに勝つぞ!という意気込みだけで今日ここに来たので、結果を残せて本当にうれしく思います」

広田「心強いです」

SAKI「いや、コレ私…」

広田「すっごい似合ってるよ」

SAKI「そうですか?」

広田「どう? このスケスケのTシャツでいこうかなと思って。サクパラダイス。これから温かくなってくるし」

SAKI「ちょっと悩んだんですけど、カワイルドって書いてくださってるのは私のためだけの1枚だなと、特別に」

広田「これからどんどん、軍団員を増やしていくのが私の目標なので、パラダイスをwaveに展開するということで第一歩、大成功!」

——前髪切りすぎじゃないですか?
広田「うっさいな! だからサクパラダイス軍に入る人は条件として、うすうすTシャツを着て前髪を短くするのがパラダイスにおける気合の現れということで統一していこうと」

——野望は?
広田「これでまず一人増えたでしょ? もっと何人もいるんですよ、コイツパラダイス軍に欲しいなっていうヤツ、そいつらを全部軍団入りさせた暁にはぜんぜんパラダイスじゃない人たちと対戦をして、その人たちの心にパラダイスを、そうしていったらさ、世界中の人がパラダイスの心が持てるじゃない」

SAKI「素晴らしいですね」

広田「世界平和なわけよ、私が掲げるものは」

SAKI「そんな大きいものだったんですね」

広田「そうだよ」

SAKI「その第1号に…光栄です。ありがとうございます」

広田「世界平和目指していきましょう!!」
3、wave of waves(15分1本勝負)
○野崎渚(14分9秒、逆さ押さえ込み)宮崎有妃●


久々に宮崎有妃&野崎渚のクソ女night☆のタッグが予定されていたが、センダイガールズのDASH・チサコ&金子夏穂が昨晩(2月13日)起きた地震のため来場が困難となり急きょ、宮崎vs野崎のシングルマッチに。2人の対決は、20年7・7新宿でおこなわれたレジーナ戦以来となる。
先に入場した宮崎はイスを持って登場。リング上でチサコポーズを決めて、ファンサービス。試合は観客の手拍子のなか、ロックアップ。宮崎が押し込みクリーンブレイク。すぐに野崎はブレイジングチョップを連発していき、カウンターのブレイジングチョップ。鎌固め、顔面バーン!へ。しかし、重量オーバーで持ち上がらず。
今度は宮崎がDDTを放って顔面バーンの体勢。ところが「やり方がわからない!」と途中で諦め、逆片エビ固めに切り替える。脱出した野崎がスリーパー、大外刈りからドルミルへ。ローリングで回避する宮崎。
野崎はブレーンバスターで追撃を試みるが、宮崎が堪えてビッグヒップ。そして「カメラの準備をしろ!」と、はずかし固めの体勢に入るが、「今日はな、お前じゃねーんだよ。お前のなんて見飽きてるんだよ。今日はずかし固めをかけられるのは志田!」と、試合を見ていた志田を再びリングに呼び込む。宮崎がはずかし固めを決めると観客は大盛り上がり。
改めて宮崎は「志田、ありがとう!」と感謝を叫ぶも、すぐに野崎がミサイルキック! おしゃれキックから走る野崎だったが、宮崎はTommyレフェリーを盾にし回避すると、イス攻撃。コーナーに登るが、今度は野崎がイスを投げつけ回避する。そして雪崩式ブレーンバスターを敢行する。
10分経過。今度は宮崎がお返しの雪崩式ブレーンバスターを見舞って、ムーンサルト・プレスを投下する。これを寸前でかわした野崎がランニング・ダブルニーアタック。一方、宮崎もショートレンジ・ラリアット2発で応戦する。
3発目をかいくぐった野崎がドルミルⅢへ。形が崩れると、ビールマンキックをお見舞い。ロープに走る野崎。これを宮崎が妨害すると、野崎はイスを投げつけザキゴエを敢行。ならばと宮崎もGUSTを放つと、掟破りのザキゴエ返し。
すぐにロープに向かう宮崎だったが、野崎がカウンターのノアールランサー・ハイ→ノアールランサー。もう一度、ノアールランサー・ハイで飛び込むが、かわした宮崎が外道クラッチ狙い。回避した野崎がカサドーラ。もう一度宮崎は外道クラッチを狙うが、これも読んだ野崎が逆さ押さえ込みで3カウントを奪った。
4、マエストラKAORU~プロレスゼミナール・補習~スクランブルwave(20分1本勝負)
○桜花由美&KAORU(17分32秒、片エビ固め)門倉凛&青木いつ希●
※ビッグブーツ


今年8月の引退を予定しているKAORUに、桜花由美社長がwaveへのレギュラー参戦を打診。タッグのマエストラとして、試合を通してレクチャーを受けるシリーズ「マエストラKAORU~プロレスゼミナール」を開講することとなった。その第1弾として組まれたのは、WAVE認定タッグ王者組の門倉凛&青木いつ希組だった!?

青木は「桜花さん、マエストラよろしくお願いします」と握手を求めるが、KAORUが無視すると、桜花もそれに準じてスタートとなる。
開始直後に連係を試みる王者組だったが、ダブルのドロップキックは揃わず。仕方なくダブルのクローズラインを狙うが、桜花がビッグブーツで切って、2人にフェースクラッシャーをお見舞いする。

続いてKAORUが出ていき、門倉の両手を踏みつけると、桜花は足裏を踏みつける。さらにKAORUが噛みつくと、桜花も噛みつき攻撃。門倉をいたぶっていく。KAORU&桜花でダブルのフロントハイキック、ツープラトンのブレーンバスターでカウント2。
ローンバトルを強いられた門倉だったが、KAORUにドロップキックを放って、青木とタッチ。青木はKAORUに「先生が反則しちゃいけません」と張り付けボディーアタック。後頭部にランニング・ニードロップをお見舞いする。そしてキャメルクラッチで捕獲。耐えられると背中にダブルニードロップを投下する。カウント2。
KAORUはストンピングでやり返し、「うるせー、青木!」と叫んで桜花にチェンジする。桜花は串刺し攻撃を狙うが、青木がボディーアタックで迎撃し、門倉と交代。

門倉はドロップキックでカウント2。桜花も串刺しビッグブーツでやり返しダイビング・サンマドロップにつなげる。キックアウトされるとクロスフェースで捕獲。これは青木がカット。そして、青木は桜花→KAORUをコーナーに投下。門倉をハンマースルーしたあと自らも突っ込むが自滅に。
今度は門倉が桜花&KAORU&青木がたまるコーナーに突っ込んで行く。しかし桜花&KAORUにかわされ、青木にバックエルボーが誤爆してしまう。

桜花が走るも、門倉がネックブリーカードロップで迎撃し、トラースキック。桜花もビッグブーツを放つが、アンクルホールドに切り返す門倉。耐えられると走る門倉だったが桜花がビッグブーツ。そしてKAORUと交代。
KAORUもビッグブーツを放って、ブレーンバスターでカウント2。エルボーのラリーとなり、ロープに走るが、KAORUがカウンターのビッグブーツ。すぐに門倉もドロップキックでやり返し、低空ドロップキックにつなげる。

ここでKAORUはハーフテーブルを持ち出し門倉をぶっ叩く。青木が挑発すると、気を取られるKAORU。その隙に天板を奪った門倉がやり返す。そして天板の上へのDDT。ダブルリスト・アームサルトもカウント2止まり。
かわった青木が串刺しバックエルボー、ボディープレスで追い打ち。セカンドからのフットスタンプを放つも、これはKAORUが回避する。

ダブルの攻撃を狙う青木と門倉だったが、KAORUがかわして、桜花とのビッグブーツ。走る青木に、桜花がスタンガン。カカト落としでカウント2。KAORU→桜花で串刺しビッグブーツを決めたあと、KAORUがバルキリースプラッシュを放つが、かわされ自滅。反対コーナーでは門倉が桜花に雪崩式フランケンシュタイナー!
すぐさま青木が桜花に串刺しラリアットで飛び込むと、門倉がキャノンボールで続く。そして、青木のセカンドからのフットスタンプが決まる。ダイビング・フットスタンプも放つが、これはKAORUがカットする。

青木の大外刈りはカウント2。ロープに走るも、桜花がカウンターのネックハンギングボム。門倉がカットに入ると、KAORUが門倉にキック。青木もラリアットでKAORUを排除する。桜花にも一発ラリアットを食らわし、さらにもう一発を狙うが、桜花がバックドロップに切り返し、ビッグブーツ。残り3分となり、ここで門倉のトラースキックが青木に誤爆。間髪入れずに桜花がビッグブーツで飛び込み3カウントを奪ってみせた。
◎エンディング
試合後のマイク。

KAORU「ありがとうございました。えー、補習ということで、もう1回やったほうがいいかなぁ。なんでよ、チャンピオンなんでしょ? で、負けちゃったんでしょ? 補習でしょ。補習っていうか追試? テストも受けてない補習だけだけど、今日は赤点。うるさいだけ、アンタ達。息も合ってないし最初から。ドロップキックもダメ。ダブルドロップキック、(門倉が青木のせいにする)ほら人のせいにする。違うの、タッグは補い合う、かばい合う、それがタッグ。アンタたち何? 相手のせいにしてばかり。ダメだよね。補習だよね。もう1回ね。よくわかった、タッグで当たってみて。アナタたちの悪いところ。よーくわかりました」

桜花「タッグチャンピオンに勝ったから私とKAORUさんで挑戦します?」

KAORU「ちょっと待って、ボスいいの? ボスがよければいくけど」

桃野「やりたければやれば?」

KAORU「おーーーー、すごいな、強気だなー。まぁまぁ、それは桜花に任せて。私はほらレジーナあるから。ってことで追試でお願いします。(広田を見つけ)あ、いた! すごいモテモテじゃない、レジーナ。いろんな人がお腹冷えたって言ってるよ?」

広田「そうなんです。あのね、腹巻き代わりに考えないでください」

KAORU「考えないでっていうか、安く見られてるのよ。レジーナチャンピオンがじゃないよ。レジーナを持ってる広田だから、ワンチャンあるじゃん、みんな。だからみんな挑戦を、まあ中には『買う』って言った…、ウチの渡辺智子が買うって言って、お前ふっかけたろ?」

広田「買うっていうので、売ろうとしました」

KAORU「売ろうとしてたよね? 交渉してたもんね、裏で。で、ふっかけただろ?」

広田「1600万」

KAORU「でしょ? 1600万ですよ。まぁ、それだけの価値はあると思うよ、レジーナだから。だけど、私、今度挑戦するから。そこで勝って、そのベルトを最後に巻いて、で智子と交渉しようかなと思ってる。もう1回裏で。リング上でやる話じゃないけど、嫌らしい話だから。裏でやるけど1600万って(苦笑)」

広田「違う、1700万でっていう」

KAORU「もっと買わねーわ」

広田「KAORUさん、本当にwave次回の大会、名古屋。タイトルマッチで、まだ名古屋のカード、私とKAORUさんのタイトルマッチしか発表されてないんですが、完売間近です」

KAORU「素晴らしい」

広田「買っていただいた方に応えたいと思います。で、私ごとなんですけど、今年で25周年を迎えます。その年にKAORUさんが引退される。そして、このタイミングでタイトルマッチ…私はその試合に勝たなくてはいけないと、私は思います」

KAORU「それが恩返しだと?」

広田「はい」

KAORU「そんなこと言われたらさ、ズルくない、いまの。ズルくない? こんな言い方」

広田「なので25年間の感謝を込めて闘いたいと思いますので」

KAORU「ウルウルしてる! ズルいぞ、お前! ウルウルしてんじゃねーよ! まだやるんだよ!」

広田「じゃあベルト買ってくださいよ」

KAORU「ズルいよ、コイツ」

広田「次の大会で私はKAORUさんに25年分のものをぶつけて、カンチョーしたいと思いますので、楽しみにしていてくださいよ」

KAORU「私も負けない。お前の気持ちに応えるために、そのベルトに名を刻むよ。17代目として。失礼のないように。ありがとう」

広田「ありがとうございました」

KAORU「泣きそうだからもうやめるよ」

広田「(青木と門倉に向かって)謝れ、お前らも。先生怒ってただろ」

桜花「おい、ちょっと広田!」

広田「えっ、なに? 感動的なマイクで終わろうと」

桜花「終わってない。終わってるんだけど、これはこれで終わってるんだけど、今日の試合でさ、世界の志田光、使っただろ?」

広田「えっ、世界のコミカルエースの志田光を使ったんです!」

桜花「すみません、志田さん。ちょっとこちらに。すみません×2。リングに上がって来ていただいていいですか? その次の試合も出てませんでした?」

志田が靴を脱いでリングに上がる。

広田「結構、靴下に毛玉ついてるんですけど、世界の、世界の志田の…」

桜花「大丈夫ですか? 会社に怒られない? 大丈夫?」

志田「いや、ちょっと私もわからないですね。責任持てないですね」

桜花「ちょっと広田! 責任取れないって。ちょっと謝って」

広田「なんでですか!」

桜花「謝って!」

広田「謝る必要あるんですか。みんな楽しかったですよね?(観客が拍手を送る)」

桜花「(ひとまず志田に)ありがとうございました。そんな志田さん、告知があるんでしょ」

志田「いいですか?(広田が靴下を突っ込むと)毛玉の話はもういいの! えーっと、日本に戻ってきてるのはですね、AEWのトーナメントを、日米同時トーナメントを開催するために、戻ってきております。いま私AEWのチャンピオンでして、その私に挑戦する人を決めるトーナメントです。ここにいる門倉もエントリーされています。1回戦目アジャコング選手となんで大変ですけど、で、日本人が8選手エントリーされてまして、日本で勝ち上がった人と、アメリカで勝ち上がった人が最後決勝戦をして、その決勝戦で勝った人が私、志田光に挑戦するという流れとなっております。その試合がですね、1回戦目が公開される日程が決まっております。日本時間で言うと、16日の朝9時から。向こうの時間に合わせているので朝になっちゃうんですけど、16日の朝9時から1回戦目がYouTubeで公開になります。どなたでもご覧になれます。はい、ただです。AEWの公式YouTubeで公開になりますので、ぜひみなさん見ていただけたらと思います。さらにそのアメリカでいう次の日になるんですけど、日本で言うと16日の夜10時には日本語解説版で同じ1回戦が公開になりますので、その解説に私コメンタリーとして入っております。AEWのことを日本にもっと広めたいなと思っていますし、日本の女子プロレスをもっともっと世界に紹介していきたいと思ってるので、日本のみなさんもぜひ盛りあげていただけたらうれしいです。よろしくお願いします」

桜花「おお! 今日せっかくバレンタインということでみんなに上がってもらおうなと思います。志田も一緒に写真撮ろう。選手、で、みなさん本当に今日はご来場ありがとうございました。今日いろいろとwaveのために動いていただいたんで、最後はこれがwaveだ!で締めてもらっていいですか?」

志田「私が? いいの? ありがとうございます。えー、うれしい! 1回くらいしかやったことない。うれしい。行きます、行くぞー、これがwaveだーーー!」
◎バックステージ
——青木と門倉について
桜花「なんか息が合っているようで合ってない。合ってないようで合ってるみたいな?」

KAORU「門倉青木?」

桜花「青木と門倉」

KAORU「ちょっと組む経緯は、私はわからないんですけど、なんで組むようになったのかな? そして、『どうしてベルトが獲れちゃったのかな、あの2人で』っていう感覚です、まだ。今日はね、当たったところで、ぜんぜん息合ってないし、本当奇跡だよね? あれでチャンピオンになれた」

桜花「そうですよ、ボスマミから獲れたなんて」

KAORU「そうでしょ、ボスマミからでしょ? あれだね、運?」

桜花「まあ運も実力のうちですけど、あのままだとタイトルマッチやったら絶対負けるなっていう」

KAORU「次、やったら負けるだろうね。勝てないと思うから、それをちょっと勝てる選手にまで育ててあげたいなと思う。でも今日わかった。あの2人が」

桜花「弱点というか、欠点」

KAORU「うん、あれじゃダメです」

桜花「(2人は久しぶりのタッグ)こないだボスマミとKAORUさんとで組んだんですけど」

KAORU「2人きりで組むのはない」

桜花「ないですよね」

KAORU「だけど久々に組んでも息が合うんです」

桜花「なんかやってることに対して、私もコレ途中で入って行っちゃおうかなって」

KAORU「うん。そんな感じ。まあ昔、一緒にやってたというのもあるし、なんとなくわかる」

桜花「なんとなく雰囲気で入って行ってもいいんだな…みたいなのもつかめる」

KAORU「そういうのが(王者組にも)あってほしいな。阿吽だよね?」

桜花「はい」

——レジーナに加えてタッグも狙う?
KAORU「タッグのベルト?」

桜花「あのスミマセン! 私、やっぱりKAORUさんとは挑戦にいけません」

KAORU「でしょ。(桃野が)すごい怒ってたもんね。怖かったもん、私。なんで私まで怒られないといけないんだか」

桜花「あとで機嫌をとっておきます」

KAORU「うん、そうして」

——チャンピオンチームを強くしたらベルト取りに行くとき困るのでは?
桜花「それはチャンピオンチームだけじゃなくて、KAORUさんにタッグのお勉強をさせてもらうということなんで、ボスマミもKAORUさんには教えてもらいます。相乗効果でそのベルトの価値が上がっていったらいいなっていう。やっぱりチャンピオンとしてふさわしいタッグチームだなって思うタッグチームじゃないと、持ってても不思議なね。『なんでアンタたち持ってるの?』って言われるチームに持たれているよりは、ちゃんと『あの2人だから持ってるんだね』って」

KAORU「価値がね、その子たちが持つことによって価値が落ちてもしょうがないから」

桜花「価値を上げつつ、それを私とボスが取りに行く」

KAORU「いまだったら絶対、勝てる、ボスマミのほうが。でも、価値を上げないと挑戦する意味がない。ボスマミが獲って価値を上げてもしょうがない。青木と門倉が価値を上げないと」

桜花「その価値の上がったベルトに挑戦したい」

——広田の感動マイクもあったが?
KAORU「アイツね、すぐ泣くの。あのね、(引退を)発表前に伝えたのね。その時点で泣いちゃうから、もう大丈夫? この子と思って。ベルト取りに行きますよ。名前残したいもん、レジーナの。ごめんトモちゃんに売るから(笑)」

桜花「1600万円でしょ、やめてください。お金じゃないです」
◎バックステージ
青木「追試ですって」

門倉「負けたよね!? はははは」

青木「私のせいにしたね。私のせいにしたよね?」

門倉「はははは」

青木「やっぱ仲良くするところからだよ、私たちは。リンちゃん!」

門倉「いやいや、コロナだから」

青木「関係なくない?」

門倉「そもそもね、ドロップキックからだよ!? ドロップキック練習してもらって」

青木「違う。できないって言ったのに…」

門倉「(ドロップキック)してなかったですよね? ドロップキック」

青木「違う、違う。できないって言ったことをやらせようとする方が良くないんだよ、リンちゃん! 私はリンちゃんのできないことをやって、なんて言わないもん!」

門倉「いや、アタシなんでもできるから」

青木「言ったな?」

門倉「ハハハハ! 私なんでもできるから。ドロップキックってなんか新人のときの基本じゃないですか。やらなかったの? ドロップキック」

青木「やったけど、ダメすぎて封印になったの!」

門倉「アハハハハ!」

青木「笑ってんじゃねーよ! おい!」

門倉「このタッグはまずはドロップキックからですね」

青木「いや絶対違うって」

門倉「ドロップキックからはじまらないと、これがうまくいかないと、うまくいかないんです。補習の課題の一つに入りますね。これは」

青木「100億歩、譲ってドロップキックはわかった…」

門倉「でもやっぱり、あの何でしたっけ? マエストラ?」

青木「マエストラKAORU」

門倉「引退までにもっともっと勉強させてもらいたいので、追試? 補習のなかの追試」

青木「追試」

門倉「そんなことあるのかって思うんですけど、それを受けようと思います。悔しいので」

青木「引退までに…とかじゃなくて、引退までにはもう100回くらい、合格しよう」

門倉「ふふ、そんなにやる!?×2」

青木「そのほうがいい。1回で…」

門倉「じゃあ毎回KAORUさんになっちゃうじゃん」

青木「1回で2、30回ぶんの合格をもらおう。それを目指して」

門倉「ああ、オッケー!」

青木「それだよ、そうしよう」

門倉「仲良くするところからだね」

青木「仲良くしよう。よし。でも今日は一緒に写真撮ってくれたので、まずは一歩。最高。大丈夫、強くなろう」

門倉「ちょっとずつね、距離は縮まってる…と思う」

青木「縮まってるよ! いいよー、リンちゃん。このまんまいこう、リンちゃん。強くなろう。頑張ります。合格しよう」

門倉「合格は絶対しないといけないので」

青木「お願いします」