2022.03.20

「Detras de Lazona Vol.3」

◎オープニング
これまでさまざまな団体と遺恨なき対抗戦を繰り広げてきたプロレスリングwaveが、今回は「ちょっとだけ遺恨あり」のプロミネンスと対抗戦をおこなうこととなった。

発端は3・13大阪大会での宮崎有妃&ハイビスカスみぃvs宮城もち&鈴季すず戦でのこと。この試合ですずは、ひとりはずかし固めなどのアブノーマルっぷりを発揮。これをSNS上で宮崎に写真付きで公開され、世羅りさに説教されてしまったのだ。このことでwaveへの敵対心が生まれたすず。

一方、wave側にもすずに対してやり返したい理由が…。3・13大阪大会でセコンドに付いていた狐伯が、すずにたんこぶを作られるほどの仕打ちに遭っていたのだ。狐伯といえば、waveにとって貴重な若手。そんなこともあり、今回の対抗戦は「ちょっとだけ遺恨あり」な状況で迎えることとなった。
まずは入場式がおこなわれ、waveからは野崎渚、桜花由美、宮崎有妃、旧姓・広田さくらが入場。プロミネンスは、世羅りさ、宮城もち、鈴季すずに加え、今大会に出場できない藤田あかねのかわりに、崖のふち女子プロレスから松本都がピンチヒッターとして参戦。両陣営が揃うと、野中美智子リングアナウンサーがルール説明をおこなった。

試合はすべてシングルマッチ10分1本勝負、勝ち残り方式で争われ、相手を全滅させた団体が勝ちとなる。引き分けの場合は、両者失格。また出てくる順番は、曲が鳴った時点で判明することが告げられた。

そして、プロミネンス代表で世羅が意気込み。話しはじめたところで、松本都がマイクを奪う。

松本「オイ! オイ、wave!! お前ら久しぶりだな。これは今日、使う予定の凶器だよ(とマネキンの頭を見せつける)。オイ、こんなね奴らの手なんて借りなくてもいいんだよ。お前らなんかな、俺一人でな、ゴボウ抜きしてやるからな。ビビってんじゃねーぞ、コラ。オイ、ビビッてるのか! オイ、何か言ってみろ、コノヤロー!」
広田「ビビってねーよ。waveとかって、私か見てないじゃねーかよ! ほかも見ろ、お前!!」

都「ビビってんじゃねーよ」

広田「お前が一番ビビってんだろうが。わかった、じゃあお前のその意気込み、買ってやる。今日をもってプロミネンス入りってことでいいですね?(否定する都)意気込みだけはわかったから、そんなに出しゃばってくるな。じゃあプロミネンスの意気込みは以上でいいですか?」

都「いい、いい、いい、いい!」

広田「じゃあwaveも行きますか。本日の対抗戦、野中がいままでの遺恨を紹介してくれましたが、まだあるんですよ、実は。世羅! お前の旦那の元カノ、野崎だろ!」

客席からは笑いがおこるとともに、世羅は動揺。野崎も動揺する。

広田「遺恨はあるんですよ、ムチャクチャ。今日の対抗戦はプライベートもレスラー人生も懸けたそういうものになるってことですよ。それでは対抗戦、応援よろしくお願いします」
1、10分1本勝負
○鈴季すず(7分11秒、フェースロック)旧姓・広田さくら●


初戦は、waveからは旧姓・広田さくら、プロミネンスからは鈴季すずが登場。ゴングとなると観客が手拍子。だが、すずはセコンドの狐伯が気になる様子……。

広田「おい、お前、一個聞きたいことがあるんだけど、お前さ、私に憧れてプロレスラーになったんだろ? YouTubeで、『広田さんの試合を見て、大好きで、大好きでそれでプロレスラーになりました』って聞いたよ、私。それがこうやってシングルできるってすごい嬉しいことじゃん。もっと見なよ、アタシのこと。ねぇ!」

すず「あのー、大変申し上げにくいですが、残念ながら、広田さくらには憧れておりません!」
呆然とする広田。「だって、聞いたよ…」とショックを隠しきれない。

すず「どこから聞いたかわかりませんが、憧れたというよりは、『あっ、プロレスってこういう形もあるんだな』って試合を見て感じただけで、ぜんぜん憧れとかじゃなくて…」

広田「だってさぁ、お前さ、写真とか一緒に撮ったじゃん…。『コイツ、広田さんに憧れて…』ってS社長なんですけど」

すず「それ以上、しゃべるな! 憧れてはいません!」

広田「『写真撮ってもらっていいですか?』とかって言うから、事務所まで上がって…。そのころからずっと私にウソついていたってこと!?」

すず「ウソをついたというか、そもそも憧れてないんですよ!」

広田「そうやって踊らされてさぁ、『広田さんすごいです』『面白いです』って、みんな本気で言ってくれてるって思ってるの、私は…。なのに、こうやって時間が経って本当は違ったんですって言われてさ、私なんて…」

泣きはじめる広田。今度はすずが動揺し、「憧れてはないですけど、元気出してくださいよ。元気出して、ぶっこんでくれ!」と、自らお尻を突き出す。だが、広田は「壁1枚のところに(世羅が)いるからそういうことやめろっつってんだろ! 19だからダメなの」と拒否する。
ならばとすずは高田純次の動き。この行動に広田が「バカにしやがって!」と仕掛けてフェースクラッシャー。ボディースラムで叩きつける。
すずもサイドヘッドロック。これを広田がバックエルボーで脱出。今度は広田がサイドヘッドロック。バックエルボーで脱出したすずだったが、広田には付き合わずに丸め込みを連発していく。キックアウトされるとフェースロックへ。
グイグイしぼると、広田がギブアップ。プロミネンスが1勝目をあげた。
2、10分1本勝負
△鈴季すず(時間切れ引き分け)宮崎有妃△


waveの2番手は宮崎有妃。早速、宮崎は「広田、セット!」と指示を出すと、セコンドの広田がリング下からボ・ラギノールの体勢で待ち構える。ロックアップで押していく宮崎。まんまと、広田の指がすずのお尻に突き刺さる。
その後も攻勢の宮崎。レッグロックですずをロープに這わせていく。続いてボディーシザース。これをエルボーで切り抜けようとする、すず。5分経過。

さらに宮崎は「試合前、ウンコしてきたんだ!」とビッグヒップ。堪えきらずに嗚咽するすず。ここから宮崎は、はずかし固めの体勢に入るも…「コイツはまだ19歳だった」と踏みとどまる。
だが、すずは強気。「やれよ! はずかしくねーからよ!」と食い下がるも、宮崎は「19歳はまだできないの!」と頑なに拒否。ならばとすずは「対抗戦だろ、やればいいじゃないか!」とセルフはずかし固めへ。

すると、そこに現れたのは出番待ちの世羅。「この前、怒ったばかりだろ! 19歳! やっちゃダメだろ、こんなこと!(とすずを正座させる)宮崎さん、アナタも座ってください!」と説教タイムに…。
世羅「宮崎さんがはずかし固めをやろうとしなければ、すずだってこんなことしなかったわけですからね。ですよね? そういうことなんですよ」

セコンドから茶々を入れる広田。すると世羅は広田も座らせ、「アナタも連帯責任です。まとめて怒らせていただきます。アナタがあおるのがダメなんです。調子乗るんです。広田さんがあおるのが一番ダメなんです。わかっていただけた?」と、いい大人たちに説教。
だが、広田は世羅が背を向けた瞬間、ボ・ラギノール。世羅を排除すると、すずは宮崎に低空ドロップキック、ミサイルキックを発射させる。カウント2。

そして、すずはTommyレフェリーと宮崎を衝突させ、レフェリー不在の状況を作りだすと、ホッチキスで宮崎の腕に自団体のチラシを貼り付ける。

このすずの行為に、狐伯もヒートアップ。リング下からすずの足を引っ張り、場外戦となる。
リングに戻ると、宮崎がすずにDDT、張り付けラリアット、正調ラリアットでカウント2。残り10秒からえびす落としを放ったが、ここで時間切れとなり、両者失格となってしまった……。
3、10分1本勝負
○桜花由美(7分32秒、片エビ固め)宮城もち●
※ビッグブーツ


プロミネンスの2番手は宮城もち。もちは元旦興行に乱入した際、ストッキングの伝線をwave勢に突っ込まれ、辱めを受けたことを根に持っている模様。一方、waveからは桜花由美がリングイン。

開始早々、仕掛けたのは桜花。ビッグブーツを放つが、かわしたもちがセクシーポーズ。「オラ、お前もやってみろ。wave魂みせてみろよ!」と挑発する。桜花は「やるわけないだろ!」とガットショット。ヒザ蹴りを連発していく。さらに串刺しビッグブーツで攻勢。
もちもモンゴリアン・チョップから「オレの右足が火をふくぜ!」とビッグブーツを狙うが、桜花がビッグブーツで迎撃。リーチの長さでまさっていく。悔しさ爆発のもちは桜花を座らせるようにとレフェリーに頼むが、もちろんこれは無効。ならばと顔面かきむしり! すぐに走るもちだったが、やはり桜花がビッグブーツで迎撃する。そしてフェイスカット。

DDTで反撃に転じるもち。ロープワークからの雷電ドロップ。カウント2。リバーススプラッシュを投下する。
桜花もスタンガンで流れを変えてビッグブーツ。もう一発叩き込む。残り5分となり、タイガー・スープレックスの体勢。耐えられるとクロスアームDDTに切り替え、カカト落とし。カウント2。
すぐに桜花は走るも、もちがもっちりバディーシザースで迎撃。これを連発していくもち。カウント2。
桜花も至近距離からのビッグブーツ。キックアウトされると、垂直落下ブレーンバスターを敢行。返されると、ダメ押しのビッグブーツで勝負あり。
4、10分1本勝負
○世羅りさ
(9分45秒、クロスアーム・パッケージホールド)桜花由美●

桜花が待ち受けるリング上。続いて鳴ったのは世羅りさのテーマ曲だった。世羅はリングに入るなり、桜花にフロントキック。「都じゃなくてすみません!」と串刺しバックエルボー、リバーススプラッシュ式ダブルニードドロップを投下する。カウント2。
一方、桜花もブラディーEXで反撃。耐えられるとロープに走るが、世羅がカウンターのエアーズロック。返されるとジャベへ。これをしのいだ桜花がサイドヘッドロック。世羅も脱出するとフォアアーム。桜花はビッグブーツで返していく。これが打ち合いとなり、一進一退。走る桜花に世羅がドロップキック。続く世羅の串刺しダブルニーアタックはカウント2。
コーナーに登る世羅。ダイビング・ダブルニードロップを投下するが、これは自滅。間髪容れずに桜花がビッグブーツで飛び込む。カウント2。バックを取る桜花。踏ん張る世羅にビッグブーツ。キックアウトされるとポキで捕獲する。これを耐えた世羅がストレッチマフラーホールドに切り返していく。ポジションの奪い合いとなり、世羅がロープ。
桜花はバックドロップを2発敢行。カウント2。世羅もその場の羅紗鋏でやり返し、両者ダウン。試合が再開されるとエルボーの打ち合いに。世羅のハリケーン・ドライバーもカウント2止まり。すぐに走る世羅だったが、桜花がカウンターのネックハンギングボム。残り30秒となり、桜花がビッグブーツ。かわした世羅が丸め込み、3カウント。これでwaveは野崎渚、一人に…!?
5、10分1本勝負
△野崎渚(時間切れ引き分け)世羅りさ△
※両者失格。プロミネンスが松本都の一人残りで勝利


wave最後の選手となってしまった野崎渚。引き分けた時点でwaveの負けが決定してしまうため、勝つことが絶対条件となる。
野崎は開口一番、「世羅、さっき広田さんが言ったの、なにもないから。そんなことより、試合したかったよ」と握手を求める。応じる世羅だったが、すぐにエルボーで仕掛けていき、いきなりラリーに。
野崎がビッグブーツで抜けだし、おしゃれキックにつなげる。コーナーに追い詰める野崎。ブレイジング・チョップでご挨拶。だが、世羅もブレイジング・チョップでやり返す。
ならばと野崎はコーナーホイップからの串刺しビッグブーツ、ハーフハッチを敢行。カウント2。チンロック、キャメルクラッチで捕獲する。そして、リバースインディアン・デスロックからの鎌固めへ。耐えられるとストンピングを浴びせていく。

再び世羅はブレイジング・チョップで仕掛けて行き、野崎も応戦。今度はラリーとなり、残り5分のコール。スリーパーを狙う野崎だったが、切り抜けた世羅がセラリズムバスター。そしてコンバインへ。さらにそこから担いでコーナーに叩きつける世羅。串刺しダブルニー、リバーススプラッシュ式ダブルニードロップでカウント2。
野崎も引き込み式のフロントキックを狙うが、かわす世羅。ならばと野崎はノアールランサー。世羅もフロントキックで応戦する。ここで野崎はザキゴェからランニング・ダブルニーアタック。ノアールランサーと畳みかける。キックアウトされると、ノアールランサー・ハイを狙うが、かわした世羅がエアーズロック。カウント2。続く世羅のファルコンアローもカウント2止まり。
羅紗鋏を狙うが世羅だったが、野崎が回転エビ固めに切り返す。キックアウトした世羅がドロップキック。カウント2。走る世羅に野崎がカウンターのノアールランサー・ハイ。もう一発、ハイを叩き込む。これも返されると、引き込み式ビッグブーツ。返されるともう一度、ノアールランサーを敢行。続けざまにノアールランサー・ハイを狙うが、これをキャッチした世羅が羅紗鋏を放ったところで時間切れ引き分けに…。この結果により両者失格。松本都の一人残りでプロミネンスが勝利となった。
そこに現れたのは、コスチュームを着て準備万端の松本都。
都「試合! 試合してない!! なんですか、なんですか! これがwaveのやり方なんですか!!」

広田「だったら早く出てくればよかったじゃん。最後まで残ってるのが悪いよ。世羅のあとだったら、もしかしたらここで終わるかも、とか思わないの?」

都「思わないよ!」

広田「だったら一番に出てくるとかさ。私はそうだよ。だから1番に出たんだから!」

都「ふざけんなよーーー!」
広田「ということで、しょうがないから今日ギャラなしだから。だってそうじゃん!」

都「ちょっとGAMIさん、試合してくださいよ!」

広田「意気込み言ってくれたから、交通費くらいは出してあげてもいいけど」

都「試合させてくれよぉー」

桜花「一応さ、入り時間から入って来てくれるからさ、しょうがないよ。ギャラは出してあげるよ。試合はないけど、一応ね。時間とってくれたから、いいよ。ウチ太っ腹だから。とりあえず、今日は来ていただきありがとうございます」

中身を確認した都はニッコリ。

都「いいんですか? ありがとうございます! waveさん最高!!」
広田「waveの良さわかったか!」

都「はい! わかりました」

広田「自分の大会やるんでしょ? じゃあ、その宣伝もしていいよ」

都「ありがとうございます。試合できなくて本当に悔しいので、また出番、作ってください。あのー、チラシを配らせていただいて、お席にあるんですけど、4月30日に「グレースプロジェクトchapter 7 with 松本都興行」新木場大会、18時、旧姓・広田さくら&マドレーヌvs“セクショー女優”ちゃんよた&米山香織っていうカードやりますので、このあとチケットも売ってますので…」

すず「ちょっとしゃべらせてくれていいですか? お前だよ、お前。さっきも試合中、出て来てよ。調子のってるな、マジで」

狐伯「反則してるだろ?」

すず「コイツ、こないだの大阪で復帰したら一番にやってやるよって言ってましたね? 一番にやるんじゃなくて、お前の復帰戦やってやるよ。4月1日復帰するんだろ? コイツと復帰戦組んでください。お願いします」

桜花「4月1日、狐伯vs鈴季すず、じゃあ決定で」

にらみ合う狐伯とすず。

広田「いまじゃないからな」
桜花「ちょっとプロミネンスさんがいるところで申し訳ないんだけど、ちょっとウチの宣伝してもいい? 本当申し訳ない。申し訳ないんだけど、アイスリボンの…。いいですか? アイスリボンのつくしが5月4日で引退、あと藤本つかさが5月4日で休業に入るので、ウチの選手はみんな、あの2人とやりたいということを言っていましたので、急きょ4月28日、アイスリボン道場で2人と試合を組むことにしました。決定しました! アイスリボン、まだカード決まってないんですけど、4月28日、チケットのほうができ次第、販売させていただきますので、みなさんぜひよろしくお願い致します。ごめんね、ごめんね。さ、今日はプロミネンスが勝ったから、締めてもらおうかな。締めとかある? 今日よかったよ。また対抗戦やろうよ。またやりたい! 正規のメンバーでお願いします。松本都はもう大丈夫です。正規のメンバーで4対4、お願いします。じゃあ何か一言言って、締めてください」
世羅「これがwaveだ?」

桜花「いやいやいや」

世羅「これがプロミネンスだ?(プロミネンスの締めを聞かれ…)Let’s goプロミネンスって…」

広田「ハードコアとかなんだか言ってるけど、Let’s goプロミネンスって(苦笑)!」

すず「ウチのリーダーが考えたんだよ!」

世羅「バカにされた…。左がピースで右が人差し指で。よかったらみなさんも…。僭越ながら、今日はプロミネンスが勝ちましたので締めさせていただきます。次は、藤田あかねwith柊くるみ、プロミネンス、フルメンバーでもう一度、対抗戦させていただいて、次もボコボコに勝たせていただきますので、宮崎さんと広田さんはもう一度お説教タイムがありますんで。(文句を言う宮崎と広田を無視して)では、本日は誠にありがとうございました。Let’s goプロミネンス!」